イクラがおいしそうに見えるようになった。この前、サーモン親子丼というメニューを普通に食べていて気付いた。おそらく2年前ぐらいだったら「イクラが載ってるからやめておこう」だったはず。あるときから「普通に食べれるな…」で、今になって「おいしい」と思うようになったのである。この“変化”に対して、苦手な食べ物が一つ減ったと素直に喜ぶべきなのだろうか。それとも味覚も思考も狂ってきたのか?
こういう経験はイクラの話に限らない。子どものころは貝類が一切ダメだった。なんだか気味が悪くて丸ごと食べるのがイヤだったのだ。しかし中学生でシジミを克服、高校生くらいにはアサリを食べられるようになり、今では大好物だ。
早い話が、食べてみたらおいしかったんだね、ということになるが、生理的に受け付けられなかったものが食べられるようになるのは不思議。一応、シジミ、アサリと順を追って大きくなっている。イクラに関しても“卵”を食べることに抵抗があり、自分のなかでイケたのはタラコ止まりだったのである。しかし、次のサイズも克服。いよいよ次の照準はアワビとサザエあたりになるのだろうか。
くだらない話を延々としているが、このメカニズムは本当に不思議でならない。加齢に応じて濃い味や刺激物を好むようになるのは味覚がバカになって気付かないからだという話を聞いたことがある。でもとりあえず、食材のサイズが大きくなる、気味が悪いと思わなくなるのは、歳を重ねてたくましくなったからだと、そう解釈することにしよう。