美容院に行くと必ず雑誌を3冊程度渡される。その雑誌の選択は美容師さんが行なうのだが、彼・彼女らはお客さんのニーズをすばやく見抜き、その人にとって必要な情報が掲載されている雑誌をチョイスする。これが的を射ていないと、「私20代なのに50代向け婦人雑誌を渡されたんだけど! ムキィ~!!」なんて反感を買ってしまうことになる。
それなりにオシャレをしている人であれば雑誌選びもラクなのだろうけど、私みたいにたいしてオシャレに関して関心を抱いてないことが全身に表れている人間に適した雑誌を探すのはなかなか大変だろう。たいていは大衆向けのファッション誌を用意してくれるのだが、関西に住んでいたころに通っていた美容院はひと味違った。
いつものように受付をして案内された席に腰を下ろすと、すぐさま雑誌が置かれた。今回は何かなと雑誌に目を向けたところ、関西ウォーカー(グルメなどの街の情報誌)、京都のラーメン特集というタイトルのグルメ雑誌、オレンジページ(料理雑誌)という、ファッション誌に興味がないという私の気持ちを汲み取ってくれたかのような雑誌のラインナップだった。その後ラーメンが好きだという店員と意気投合し、お互いの京都のオススメラーメンを教え合うという充実した時間を過ごすことができた。
私たち雑誌の編集部も“情報を発信する側”として美容師さんのように顧客のニーズをしっかり把握しなくてはならない。美容師さんは対個人で、私たちは対大勢の読者の方々だから少しニュアンスは違ってくるけど、瞬時に求めることに応えられる観察眼と対応力は編集者として学ぶことがあると思う。
東京に来てからも、そんな美容師さんに出会えないものかと美容院を転々とする日々を送っている。
by ねぷろ2016/6/27 15:50
「美容室あるある」ですねー、雑誌。
私が一時期通っていた美容室は、オーナーがSuper7というクルマに乗ってた事もあり、その車関係の本が多くて個人的には楽しかったです。
その後に複数店舗を持つようになり、オーナーは別の店がメインに・・・残念ながら普通のファッション誌ばかりになってしまったため、自分もお店から離れちゃいました。
顧客の好みを読み取って合わせるって、ホント大切だし、素晴らしい能力ですよね。
いまは、こちらが黙っていたい時に黙っていてくれるお店に通っています(お客さんが喋りたくない時に黙っているのも、能力の一つ)