雨の朝はゾウに想いを

いつもより4、5日締め切りが早い、怒涛のシルバーウィーク進行もなんとか終わったのがおととい。今日は苦労して締め切りをまいた分はキッチリ休んでやろうと、プライベートとしては久方ぶりのキャンプをしにきている。場所は長野県の野尻湖。ナウマンゾウの化石で有名な湖だけど、実は来るのは今回が初めて。というのも地図を眺めていたら、長野県北部と新潟県の境ぐらいはあんまり来たことがないことに気付いたんだよね。首都圏からだと、高速道路の位置てきに割と時間がかかるのがその理由だろうけど、そういや千曲川流域の町もあまり意識して見たことがない。今回はその僕的空白地帯を走り回るのが目的だ。

でもね。このシルバーウィーク雨なんだよね(笑)。昨日の夜はなんとか雨に降られず、焚き火も楽しんだんだけど、雨がフライシートを叩くおとで目が覚めて、さっき雨雲レーダーアプリで確認してみたら、ちょうどこのあたりだけ強い雨が降っている。それでまぁ、コーヒー片手に湖面をみながら、数万年まえのゾウがいた日本の景色に思いをはせているのだが、これもまぁ悪くない。

 

 

このナウマンゾウ、今のアジアゾウの親戚みたいなゾウで、この野尻湖に限らず昔は日本各地にいたんだとか。それを縄文人が2万年かけて狩り尽くして絶滅させてしまったらしい(笑)。で、このあたりの狩人たちが、狩ったナウマンゾウの骨を捨てていたのがこの野尻湖の湖畔の一角だったらしい…というのが昨日、資料館で見聞きした付け焼刃知識の内容だ。まぁ、アジアゾウとはいえ大きいし、運ぶにも解体するにも浮力が使える湖の方がラクだったんだろうね。しかし、ナウマンゾウを当時の人間が絶滅させていたいうのが、僕的にはちょっとオドロキである。「森を汚すな!」とか言いながら走り回っている日本製アニメのイメージもあって、なんだか昔の人たちは自然との共生といった、そのあたりのコトワリに長けていそうなイメージがあったけど、ナウマンゾウを全国区規模で絶滅させたって聞いてしまうと、日本オオカミを絶滅させた近代とあんまり人は変わらんのかもしれんなぁ…、と思ってみたり。まぁ、ナウマンゾウの絶滅に関しては2万年というものすごく長い時間をかけてのことらしいから、それが人為的的なものなのか、環境変化によるものなのか、よくわからないけどね…。

 

なんて、どうでもいいことを考えながら、過ごすキャンプの朝。それがたとえ雨の朝だとしても僕は割と好きなのだ。さぁて今日はどこへ行こうか。

やたぐわぁ

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やたぐわぁ

本名/谷田貝 洋暁。「なるようになるさ」と万事、右から左へと受け流し、悠々自適、お気楽な人生を願うも、世の中はそう甘くない。実際は来る者は拒めず、去る者は追えずの消極的野心家。何事にも楽しみを見いだせるのがウリ(長所なのか? コレ)だが、そのわりに慌てていることが多い。自分自身が怒ることに一番嫌悪感を感じ、人生の大半を笑って過ごすことに成功している、迷える本誌編集長の44歳。

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