最新号の編集後記に「日本シリーズを観に広島に行ってきます!」と勢いよく宣言したものの、実はまだその段階ではチケットが一般販売されていなかった。プロ野球の日本シリーズ、広島vs日本ハムの第1戦。競争率の高いチケットになることは予想できたが、アウェイとなる日本ハムの3塁側、少しお高めの9,000円近い座席ならイケるだろうと楽観視していたのだ。蓋を開けてみればどこに日ハムファンがいるのか、というくらいアウェイ席などなかったのだが…。
これほどのビッグイベントを生観戦したいと思ったのははじめて。チケット入手の厳しさなど知るよしもない。そもそもこれほどチケットが欲しいと思ったのは、日本ハムの大谷翔平選手(22歳)を生で観たいという一心。現代野球の常識を覆す“二刀流”のプロ選手、つまり投手と野手の両方をこなしながら、今シーズンはどちらの役割でも超一流の成績を残した。超人、漫画でもありえない、未来永劫現れない選手…。どんな賛辞を尽くしても足りない、とにかくスゴイ選手なのだ。日本新記録となる165km/hのストレートを連発し、ファンの度肝を抜いた試合が直前にあったことで、この目で観なければ…!という思いに駆られたのだった。
チケット発売の5分前、机の上のPCはチケット販売ページを開き、左手には携帯電話を持ってスタンバイ。9時59分から10時00分に切り替わった瞬間、ネットの購入手続きボタンを押し、電話もかけた。にもかかわらずどちらも「混みあってつながりません。再度やり直してください」。やり直し続けて4分後には「完売しました」。なんてこった…。たった4分で、広島への観戦旅行は木っ端みじんに打ち砕かれてしまった。
完全に意気消沈した僕は、「ごめん、やっぱり土日のキャンプ行くわ…」と低いテンションで友達に連絡を入れた。もともとキャンプに誘われていたのだが、「広島行くからムリ!」と断っていたのである。渋々といった僕のテンションに友人はイラっとしたことでしょう…。結局、試合当日にキャンプツーリングを楽しんだので、翌日に帰宅してから録画で観戦。しかし疲労からかすぐに眠ってしまい、ほとんど試合内容を覚えていない。なんだか中途半端になってしまったな…、というちょっと悔いが残る夏休みとなった。