電動化について

ホンダのEV-neoの発売が始まったこともあり、いよいよ電動バイクが“一般普及の時代”に入ってきたような気がしますね。さて、バイクの電動化についてみなさんはどのような印象を持っているでしょうか。「バイクっつーのはよ、エンジンのフィーリングを感じるからこそ楽しいんだろうが! 『キュウウウ〜ン』なんていう電動バイクに乗るくらいなら、オレはバイクを降りるぜ」という人もいるかもしれませんね。

 

ボクの場合、エンジンという機械にそこまでの思い入れはないんです。…おっと、何か誤解を招いてしまうといけないので断っておきますが、エンジンのフィーリングは大好きですよ! アイドリング時の「ドッドッドッ…」とか「ドルルルル…」という音、加速していくときの「ズダダダダッ!」とか「クォアァァァン!」という音などは、確かに非常に魅力的だと思います。モーターにはそれがありませんから、その点でいえばさびしいものがありますね。それは事実です。

 

でも、エンジンとともに心中するつもりもないんです。ボクにとって大切なのは、“二輪車で走ること”であって、時代のさまざまな移り変わりでエンジンがモーターに置き換わっていくのなら、それもまたよしだと思います。それはたとえるなら、写真を撮るのが趣味だった人が、銀塩フイルムからデジタル一眼レフに移行するようなものでしょうか。カメラにフイルムをセットする動作とかはカッコイイし、撮り直しのきかない一発勝負にかけるというスタンスも、カッコイイ。でも、時代の流れのなかでもしフイルムがなくなっていく傾向にあるなら、ボクは写真をやめるのではなくて、迷わずデジタルに移行するよという話です。

 

今のところ、電動バイクはパワー面や航続距離などにまだ改善要素があり、エンジン車と同等に使えるコミューターとはいえません。でも、きっと将来には200〜300kmの航続距離を持つ電動バイクも登場することでしょう。そのくらいの航続距離があれば、エンジン車とほぼ変わらない感覚で走れますよね。あとバッテリーのサイズも、どうにか弁当箱くらいにならないもんかなぁ。そうすれば予備バッテリーを持っていくことも苦ではないし、ガソリン給油のような感覚でバッテリーを交換すればいいわけです。普通の日帰りツーリングなら、予備を1個持っていけば十分安心。ボクが誌面でよくやるような高速道路のイッキ走り企画とかになると、「今日は予備バッテリーを5個も持っていくのだぁ!」…とかね。もちろん、バッテリーの規格は各社共通だといいですね。「ヤバい! そういえばオレのバイク、バッテリー残量が少なかったんだ!」「しょうがねぇなあ、オレの予備を使っていいよ」とか、貸し借りができると便利です。ついでに言うと、充電時間ももっと進歩してほしいなぁ。フル充電まで10分…とまでゼイタクは言わないけれど、せめて1時間くらいにならないかなぁ。そうすれば、予備を忘れてしまったときも、ガソリンスタンド(充電スタンド?)で1時間くらい時間をつぶせば再スタートできるわけです。う〜ん、夢は尽きませんね。

 

ともかく、これから電動バイクが“エンジン車に置き換わる”かどうかはわかりませんが、数は増えていくと思います。ボクは、そんな未来も楽しみですし、別に悲しんだりしていません。この先どんなバイクが出てきても、それがバイクであるかぎり、ボクはツーリングをしていると思います。おいしいものを食べて、温泉に浸かって、気持ちのいい道を走って…。たぶんそのころもタンスタでは「予備バッテリー5個で、1日1,000km!」とかいうチャレンジ企画をやっていることでしょう。どうぞみなさんも、孫とかひ孫にタンスタを勧めてやってください。よろしくお願いします。

マンボサイトー

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マンボサイトー

「マンボ」というニックネームはマンボウ似であることから名付けられ、当初はかなり嫌がっていたものの、最近ではそれほど気にならなくなってきた。ビッグバイクよりも中小排気量 の方が好き、人気車種よりもマイナー車の方が好き、というあまのじゃくな性格の持ち主でもある。

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