ゲームフリークの友人が先日、力のない声で「俺はゲーマーとしてダメになった」と報告をしてきた。何があったのかを聞くと…。
インターネットの動画サイトには、ゲームをプレイしているようすを配信するいわゆる『実況動画』というものがある。友人は「ゲームは自分の金で買って自分の手でプレイする!」という信念を持っていたため、他人がプレイしているようすを見るだけの実況動画をたいそう嫌っており「あんなものを見てゲームをプレイした気になっている奴らはゲーマーじゃねぇ」みたいなことを言っていた。
しかし先日発売されたホラーアクションゲーム『バイオハザード7』。シリーズ最恐のホラー演出によって、プレイできなくなるユーザーが続出しているという話題作だ。友人もこれを購入するつもりでいたのだが、事前に体験版をプレイした結果、あまりの恐ろしさに製品版が購入できなくなったという。
とはいえゲームとしてのおもしろさはシリーズ屈指のものであり、先が読めないシナリオに謎だらけの伏線。いったいどんなエンディングが待っているのかとワクワクしながらプレイをする…そんなゲーム本来のおもしろさが詰まっており、ゲーマー魂を奮い立たせるのだ。
ゲームはプレイしたい。でもこわい…という葛藤を繰り返した末、友人はついに実況動画に手を出してしまったのだとか。これが友人にとっては大問題らしく、なまじその動画がおもしろかったから余計に屈辱だったという。
というわけでボクもその動画を見てみたんだけど、本当に怖い。夢に出てきて翌日に引きずるほどだった。視聴中は投稿者の声が聞こえるから恐怖が若干まぎれるけれど、こんなものを一人でプレイしていたら発狂してしまいそうだ。
でもこの動画の投稿者がかなりおもしろい人物で、『バイオハザード7』以外のゲーム実況動画も投稿していることを知り、休みの日を利用して丸一日その動画を見てしまった。すると本当に一日中ゲームをやり遂げたような気持ちになったのだ。
そういえば『冬はバイクに乗りたくないからツーリング動画を見ています』なんて話を何度か聞いたことがある。また、ツーリングのシミュレーションゲームなんてモノもあるらしい。さすがにバイクだと、画面を見るだけでツーリング気分を100%味わうことはムリだろう。でも映像技術や視聴環境がどんどん進化していけば…? それが限りなく100に近付くかもしれない。そうなるとオンラインでツーリングを楽しめるようになるのでは、などと思ってしまう。20~30年もしたら孫とかに「え!? おじいちゃんは本物のバイクでツーリングしてたの!?」とか言われる時代がやってくるのか…? それはそれでこわいなぁ。