シトシトシト、や~らしい春の雨が降り続いている関東地方。せっかく咲いた桜もコレでは台無し。水たまりを漂う花びらがなんだかもの悲しい。さてさて、お花見ツーリングに水を差す氷雨ですが、今回はそんな状況で便利なアイテムを紹介します。
ダイビングで使用するウエットスーツなどにも使われるネオプレン。すばらしいのは発泡ゴムを使用しているため、断熱性が革や合皮といったグローブに使われる素材に比べて非常に高いこと。それに密閉性が高く内部が濡れてもその水分が逃げないことで体温低下を効果的に防げる、という2点が大きな特徴。そんな防寒性の高さから、最近はバイク用品店やガテン系ショップなどにもこのネオプレイン素材を使用した製品が置いてあったりするから使ってみたことがあるというライダーも多いだろう。かのいうボクも雨の日にはネオプレインのグローブを使う派の1人。これまでいろいろ防水性をうたったグローブも使ってきたけど、雨の中をバイクで走っていると、どんなに工夫しても結局のところ内部に袖口をつたう雨水が進入してくるもの。だいたいにおいて雨の中で着脱を繰り返せばそれだけで内部は濡れてしまうものである。ならばいっそ内部を濡らしてしまっても暖かいネオプレン製のグローブの方が…、と考えたワケだ。じっさいこれがかなり暖かく、最近では夏場でも雨の可能性があれば旅先に持って行くアイテムになっている。
ただ、このネオプレングローブには弱点もある。断熱のためには生地にある程度の厚みが必要なのだ。これがすこぶる操作性に影響する。それに発泡ゴムである生地そのものにもかなりの弾力があって復元力が高い。…つまり、オートバイのグリップを握り続けているだけでかなりの握力を使い、すぐに手が疲れてしまうのだ。まぁ、指先が冷たくなって千切れる思いをするよりはマシなので使い続けているワケだが…。
ハイッ! そこで登場するのがこのモンベルの『ネオプレン パドリンググローブ』。もともと、カヌーやカヤックといったパドルスポーツもやるボク。ちょっと前からこのアイテムが気になって使ってみたかったのだけど、なかなか店頭で実物を触れなくて二の足を踏んでいたのだが、ついに現物を見付けてしまった! はめてみたらこれがなかなか具合がよくて思わず購入してしまったというワケである。
甲側は3㎜、平側2㎜とガテン系のショップで売られているものよりもちょっと薄手の造りだけど、やっぱりライダーは操作性重視したいものである。厚みが増せば増すほど保温力が増す反面、素材の抵抗が増えるものだし、握りも太くなって握力の消費もより大きくなる。実際、先日、タンデムスタイルの企画でスズキのジクサーで日本海までちょっと走ってきたんだけど(詳しくは4月24日発売号にて!)、全行程、下道で走ってしまったもんだから、夜の三国峠は0度近くまで気温が下がった。でもそんな状況でも指先がちぎれる思いをしなくてすんだのはこいつのおかげ。まぁ、多少ネオプレン素材独特のブニブニ感は感じるけど、今日みたいな氷雨の中で指先がちぎれるような思いをした後は、とくにこのネオプレングローブの恩恵が強く感じられることだろう。