いやはや、寒さが厳しい今日このごろ。自分はバイクどころか自転車に乗っただけでも寒さに縮み上がるのに、街を走るライダーは元気で見ていて頼もしい。まぁ当然寒いのだろうけど、東京はまだ冬場に走れるだけでも幸せである。
暦のうえでは立春(2月4日)が過ぎ、季節は春となったわけであるが、どう考えても春とはほど遠い気候である。しびれる寒さはもちろんなのだが、特にひどいのは空気の乾燥具合。自宅に帰って湿度計を見ると、エアコンもつけていないのに30%を切っていたりするし、乾燥してあちこちが痒くなってきたり、寝起きでノドがカラカラになったりと、どうもこの時期は苦手である。
ただ、空気が乾燥しているといっても、夏場のようにジメジメしているよりはいいのかなと思うのだが、実は違うのである。確かにカラッとしていて快適な時もあるのだが、湿度は低すぎるのも問題だったりする。湿度が低くて問題になるのは火が燃えやすくなること。すなわち火災が起こりやすいことだが、消防庁が公開している消防白書を見ても、12月〜4月にかけての火災発生件数が他に比べて多いし、焼損面積に至っては、冬場が特に大きくなっている。これはおそらく火のまわりが早いことが原因だと推測できるが、冬場に火の用心を呼びかけるのは、空気が乾燥していて火が燃えやすいからなのである。
その空気の乾燥具合を計る尺度として一般的なのは、言わずもがな湿度であるが、湿度とは空気中に含まれている水分の量が、最大のときと比べてどれくらいの割合なのかを示す数値である。そしてなぜ冬場に空気が乾燥するのかというと、それは空気中の飽和水蒸気量が温度と関係しているからである。飽和水蒸気量とはその名のとおり、空気が含むことのできる水蒸気の最大量のことで、その量は温度によって変わってくる。そして空気の温度が低いとたくさんの水分を含むことができないため、冬場は湿度が下がってしまうのである。
それに湿度が低いと風邪などの病原菌の繁殖も活発になるのだそうだ。基本的に病原菌は高い湿度に弱いらしく、だいたい50%を超えるとそのほとんどが死滅する。人が生活するのに理想的な湿度は45〜60%ぐらいだと言われているが、それぐらいであれば病原菌は生きられない。冬場の湿度管理は、病原菌予防の観点からも重要なのである。
というわけで、僕はこの時期、空気の乾燥に関してはことさら敏感になるのだが、高価な加湿器にはなかなか手が出ないし、かといって安物だと衛生面が心配…。なので今年も購入には至っていないのだが、その代わり何をしてるのかと言えば、もっぱら洗濯物か濡れタオルの部屋干しである。単純で見た目は良くないかもしれないけど加湿効果はてきめんで、干すと同時に湿度計の針がスススーッと上がってきて、部屋に潤いを与えてくれる。
ただ願わくは、早く暖かくなって湿度が通常に戻ることであるが、3月、4月とまだまだ寒い日は続くだろう。しばらくは部屋に濡れタオルを干す日々が続きそうである。