先日、仕事でやらかしてしまった。こんなに怒られたのはいつぶりだろう。大目玉をくらうというけれど、本当に目玉が飛び出さんばかりの勢いだった。もちろんそんなふうにさせてしまったのは僕のせい。自分の言動を深く反省している。こうして話のタネとしてしまうことでまた相手の方を不快な気分にさせてしまうかもしれないが、“気持ちの切り替え方”について気付くことがあったので、先日の出来事に触れることにした。
わかったことはズバリ、バイクに乗っても気持ちが紛れないということだ(苦笑)。バイク乗りでありながら、なんて救いようのないことに気付いてしまったのだろう。バイクといえば気分転換に打って付けの乗り物じゃなかったのか? 失恋したら海まで走りに行くとか、そうでなくてもアクセルを開けて風を感じればモヤモヤした気分なんて吹っ飛んで…、みたいなイメージがあったんだけれど。
その帰り道、高速道路で快調に飛ばした。そうしたら気持ちを整理できるかと思っていたのに、頭のなかにいつまでもリピートされるのは怒られたシーンばかり。反省して切り替えようとしても、底に沈んだ気持ちはいつまでも沈んだままだった。
なぜかって、考える時間がありすぎる。バイクに乗っていると考える以外にやることがない。運転の操作をするといってもほとんど無意識にやってしまうし、ストップ&ゴーのない高速道路ならなおさらだ。やることがないからいやでもリピートしてしまう。考えごとをしたいときには最適な反面、ある思考から離れたいときにはバイクは不向きなのかもしれない。
このことに気付かされたのは、夕方になって本誌の撮影でお世話になっている関野温カメラマンの個展に行ってから。漁村や里山の風景写真に見入っている時間はわずか40分程度だったけれど、展示場を後にしてから、なぜか気持ちがすっきりとしていた。ふと考えてみると、怒られたシーンがいつの間にか頭のなかから消えていた。だから気持ちが軽い。そこで初めて、バイクに乗ると考えすぎちゃうな…、なんて思ったというわけだ。怒られて時間が経っていないということもあったし、乗る場所や距離、時間によって変化もあると思う。ただ、もしバイクに乗っても気分が晴れないというなら…ってこんな結論でいいのか?