キーワードは、二輪車料金の「独立化」と「適正化」
自民党プロジェクトチームは、その発足前から活動する自民党オートバイ議員連盟のときから、二輪車の料金問題を取り上げている。その出発点は、二輪車料金が四輪車と同額なのはおかしいということだ。
TPは、そうした国会議員の問いかけに、高速道路課が出したひとつの答えだった。同課はこうも言う。
「TPで車種区分の議論は終わりではないと、プロジェクトチームでも再三指摘をいただいており、その認識だ。TPで今できることに取り組み、引き続き車種区分の議論はさせていただく」
自民党プロジェクトチームは、二輪車料金を「独立化」と「適正化」という二段階で考えている。軽四輪車と同じ区分を、まず二輪車料金区分として独立させること。それだけでは不充分なので、負担に応じた適正な料金設定をするのだ。そして、その料金比率は大岡氏が言うように普通車の半額程度で、ほぼ合意を得つつある。
ただ、二輪車料金を現行より安くすれば、料金収入は単純に減収となる。料金収入から高速道路の維持管理をねん出する側としては、簡単に認めるわけにはいかない。長年、二輪車料金が認められなかった背景には、こうした財政事情もある。
ただ、二輪車料金を検討する過程で、国土交通省や高速道路会社に大きな準備不足があることがわかった。彼らは二輪車の高速道路利用実態をほとんど把握していなかったのだ。軽四輪と二輪車を一括して軽自動車等として集計しているため、二輪車が何台走っているかわからない。それを独立化・適正化すると減収になるのか、あるいは増収になるのかわからないまま、変えることの不安だけが膨らんでいた。
そこで、高速道路会社はTPのスタートと共に全国47料金所で目視によるサンプル調査を行なうことを決めた。料金所のレーンに設置されたカメラに記録された映像で、二輪車を1台づつ数えるのだ。ETCのセットアップで車両情報を届け出ているから自動でできるだろうと思うのは利用者だけだった。
彼らの目論見はこうだ。首都圏でTPを実施することで、料金を下げて走った場合の利用者の変動実態がわかる。料金を普通車の半分にして利用者が増える傾向が見えれば、料金を適正化しても減収幅は小さくなる。さらに、目視調査で二輪車の走行実績がわかれば、料金収入の増減幅は推計できる。
利用者増を見込む四輪車の周遊定額プランと見かけは同じだが、高速道路初の二輪車専用TPが誕生した背景には、こうした古くて新しい料金問題が潜んでいるのだ。
前述の大岡氏は、高速道路の二輪車料金の独立化・適正化は、問題なく可能だと主張する。さらに理由を聞いてみた。
「高速道路の通行料金収入は大枠でいうと、全体で約2兆円。そのなかで『軽自動車等』の収入は2000億円。さらに、その中で二輪車は200億円と言われている。つまり二輪車の影響は、最大でも2兆円の1パーセントでしかない。二輪車料金を独立化・適性化することは大事のようだが、これは高速道路会社の決算からすれば誤差の範囲。実現は難しいことではない」
さらに、プロジェクトチームには、二輪車通行料金を実現するための費用についても、具体的に示されている。大岡氏は言う。
「軽自動車等を二輪車として独立させた場合、料金所やコンピューターのシステム変更に200億円。これも高速道路3社と都市高速で負担できないものではない」
高速道路は利用者負担が原則だ。それは利用に応じた公平な負担であるべきだ。バイクはなぜ四輪車と同じ料金でなければならなのかという問題提起は、そうしたごく自然な疑問からスタートして、ここまで議論が進んだ。あとは、ライダーが議論の後押しを、高速道路走行で示すだけだ。
このプランの積極利用が高速料金を引き下げる!?
by 白髭爺2017/8/1 11:15
料金の値下げが 収入源になる → タバコの増税と同じで 全体総量に変化は与えない可能性が高い まずはやってみれば・・・
それよりも マナー違反のバイクで事故が増える(経費が増える・渋滞が増える)
ちょっとした落下物でも 道路の穴やつなぎ目の整備不良でもバイクなら死亡事故になるので
バイクの為のインフラ(さらには高速からの落下防止など)に金がかかるから嫌!が本音では?
また
レーズ場を走るような異常に高性能なバイクを市販して重大事故の原因を作っていることが問題
結論として 値下げの効果を双方にもたらすためには
ETCと連動したスピードリミッターの義務化が必要 (車にもネ!)