だいぶ前のコラムでも書いたが、虫は大の苦手だ。幼少のころは大丈夫で、好んで昆虫図鑑を見た記憶もある。しかし『なぜこんな小さなモノが動くんだ?』と思った瞬間ダメになった。ここで『なぜ』を追求したら昆虫学者など、別の道を歩んでいたかも。さてその中でも最悪なのがゴキブリだ。あのテカテカ&平べったいスタイルで、カサカサと動く姿を見るだけで悪寒が走る。基本、どこで遭遇しても視界から消えるまでガマン…。潰すのなんてとんでもない。後始末するのが嫌だから…。
ここ10年の間で、唯一始末したのは1回のみ。某イベント取材にあたり、かなりの台数のカスタム車が来ることがわかっていたので、めずらしくカメラマンに同行してもらった(女性)。そこでホテルを撮ったのだが(もちろん部屋は別!)、それぞれの部屋に入ると、携帯に着信が。出てみると「ゴ・ゴキブリが…」。自分の部屋だったら、窓とトビラを開けて出て行くまで待つのだが、そうも言ってられない。「ゴキブリも始末できない編集者の仕事は二度と受けないからっ!」といわれかねない。
とりあえずロビーにあったフリーペーパーを自分の部屋に持ってきてたので、それを丸めて部屋に向かう。入ってみると、幸か不幸かかなり小振りな個体。勇気を出して引っぱたき、部屋に備え付けられていたティッシュペーパーを10枚以上引っ張り出して、死骸を始末した。平然と作業したかのように見えたかもしれないが、脇にはい~やな汗をかき、自分の部屋に戻って早々にシャワーを浴びた記憶がある。もちろん、自分の部屋にヤツがいないことを確認したうえで。
さて数日前、再び格闘するハメになった。久しぶりに自宅に帰り、軽~くお酒を楽しんだあと、身を清めるべく浴室に。電気を付けてドアを開けると、黒い物体が奥へ…。少し酔いが回っていたこと、貴重な入浴タイムを邪魔されたことにより、柄にもなく戦いを挑むことにしたのだ。ただ素手は分が悪い。玄関にパーツクリーナーを置いてあることを即座に思い出し、玄関へ。
そしてできる限りヤツに近付いて噴射!! すぐに勝負がつくと思われたが、なかなかヤツの動きが止まらない。パーツクリーナーが古くなっているのか? ヤツの耐性が上がっているのか? とにかく動き回るヤツをコーナーに追い込みつつ噴射を続ける。5分くらい戦っただろうか。換気扇も回さずにパーツクリーナーを噴射し続けた結果、自分の方が気持ち悪く…。とりあえずふらふらと寝室へ。
翌朝、仕切り直すべく、浴室へ向かう。すると片隅に動かなくなった黒い物体が!? どうやらパーツクリーナーが効いたよう。死体を始末し、ようやく安心して身を清めることができた。浴室にさえいなければ戦うことはなかっただろうと思いつつ、髪を乾かして仕事という別の戦いに向かったのであった。