僕はバイク購入とほぼ同時にバイクカバーを購入して以来、2年間ちょっとの間、1度もバイクカバーを交換していない。つまりボロボロのバイクカバーを使用していたのだ。カバーを使っている方なら分かってくれると思うけれど、ずっと使っているとあちこち破けてきちゃうんだよね。多分、強風などで煽られた際、バイクの各突起部に引っかかって破けちゃうんだと思う。
ただ、買い替えるかというと、バイクカバーって意外と値段が張る。安くても3,000円ぐらいはする。”ただのシートなのに…”と思ってしまうけど、車体にしっかりフィットするよう端にゴムを仕込んだり、耳(ミラー)の部分を立たせたり、バックル付きのベルトを付けたり…とすると、手間がかかる分やっぱりそのぐらいの値段はするんだろうなぁ。あと素材次第でももっと高くなる。前にお店で見たNinja H2用のカバーは、2万円ぐらいしたと記憶している。あのミラーコートを守るためによっぽど良い素材を使ってるんだろう…。
貧乏性ゆえカバーを買う気にならなかったそんなとき、とある僥倖が起こったのである。
バイクをちょいと走らせようかと駐輪場に降り愛車に近づいてみると、なんだか違和感。バイクカバーがいつも以上にボロボロなのだ。車体を覆い隠せないほどシートが大きく裂け、シートどころかベルトまで切れてる。ボロボロどころじゃない、ボロッボロだ。
「はりゃー、ストリートビューで旅してる(詳細はタンスタ186を参照)間に、こんなに強い風が吹いたのかー。」
なんて見てたら、シートに厚紙が貼ってあった。
”申し訳ないです、作業員が誤ってシートに引っかかってしまい、破ってしまいました。つきましては裏の連絡先までご連絡ください”
といった旨のメモがあって、裏にはとあるガス会社の方のお名前が。名刺だったようだ。
なるほど多分、お詫びしたいってことなんだろう。”シート買い替えてくれるのか!”と破った人には申し訳ないが喜んでしまった。
とあるスクーター好きの編集長は”よっしゃ!メッチャ高いの買ってもらおーぜ!”とか言ってたけど、元々安物だし、さすがに気が引ける。自分で選ぶのも面倒なので、車種名を伝えて適当に買って頂いてほしい旨を伝えた。お会いしてお詫びしつつ手渡ししたいとも言われたけど、家にいる時間がわからない仕事だからご遠慮。
数日後、元のシートより高価なものが到着し、今はピカピカのシートが愛車を覆っている。なんだか申し訳ないけれど、このところ不幸続きだ、ささやかな”自分への”幸は享受しておこう。と…。
宅急便には粗品のタオルもいくつか入っていて、その誠意に感服。電話をして、”この件はもう気にしないで下さい”とお伝えしておいた次第。
なんというか、自分のミスに誠意を込めて対応するってなかなかできないことですよね。僕も気をつけないとなーと3日ほど心に留めた。人の不幸で喜んでしまう自分には、なかなか難しいことだろう…。