ビギナーにも優しい軽快マシン
ベースモデルのXR230はモタードよりも先行して発売されていて、その開発コンセプトは「マイファースト・オフロード」。オフロードモデルの魅力を幅広い層に提唱するもので、ビギナーにも無理なく扱えるようなモデルに仕上げられている。XR230モタードは、そんな性格を受け継いだマシンである。
モタード化するにあたって、最大の特徴である17インチホイールとタイヤに履き替えているが、単なる足まわりの交換だけではない。サスペンションは、フロントは加重を高め、リヤもサスユニットの長さを3mm延長するなどのセッティングがほどこされている。また、足まわりの変更によってシート高は5mmダウン。もともとコンパクトな印象の車体がオンロード仕様となり、より足つき性が高まっていることも、ビギナーにとってはうれしいポイントだろう。
DETAIL
RIDING POSITION & FOOT HOLD
●ライダー:身長178cm/体重78kg
シート高は一般的なモデルよりは高いものの車体が軽いため、またがるのにまったく不安はない。ハンドル位置は若干低めで少し遠く感じたが、シートの前へ移動して乗るとしっくり構えられた。車体のサイズで窮屈に感じることはない
クッション性が高いのとシート幅もスリムなので足つき性が高く、両足のカカトまでベッタリ着くうえ、ヒザにも余裕がある。開脚気味に足を広げているため真っ直ぐ足を下ろした状態でもステップなどに干渉することもないので、不安要素はまったくない
●ライダー:身長178cm/体重78kg
リヤのサスペンションもやわらかく、タンデマーが乗り込むことでさらに足つきが向上した。「快適」とまではいえないが、走行には問題なさそう。ただ、ステップの足を乗せるとシフトペダルにつま先がかかるのが心配
●タンデマー:身長151cm/体重43kg
ライダーの座る位置が後方になるせいか、シートギリギリまで追いやられる印象。きゅう屈というほどではないがライダーからの圧迫感が強く、グラブバーもないので少々心もとない印象だ。座面は比較的肉厚で柔軟
COLOR VARIATION
SPECIFICATIONS
- 全長×全幅×全高
- 2,015×815×1,080mm
- 軸間距離
- 1,340mm
- シート高
- 800mm
- 車両重量
- 125kg
- エンジン型式・排気量
- 空冷4ストロークOHC 単気筒・223cm3
- 最高出力
- 13kW(18ps)/7,500rpm
- 最大トルク
- 18N・m(1.8kgf・m)/5,500rpm
- タンク容量
- 8.7L
- 価格
- 50万8,200円
STAFF’S IMPRESSION
コンパクトな車体が魅力
スタイリングはテールがピンと伸びていて、かなりアグレッシブなイメージである。ところが実際にまたがってみれば、足つきもいいし、エンジンパワーも排気量なりで、かつレスポンスがクイックすぎず扱いやすい。ハンドリングにしてもライダーの意思にニュートラルで、コンパクトな車体なので乗らされているという感覚もない。バイクを手に入れてから早い段階でライダーとバイクの一体感を得られるモデルといえるだろう。それゆえ、さらに先を目指せる1台といえる。
シート高800mmでも安心!
230ccの単気筒エンジンだけれど、力強く、ドコドコというエンジン音も個人的にはとても楽しさを盛り上げてくれる。シート高は800mmと高めだけれど、私の身長151cmでも片足を着けられ、信号や交通量が多い街中でも不安はない。また、ハンドルポジションなども最適な位置にあるので、操作もしやすく、キビキビと走ってくれる。取りまわしもラクなのと、以前走った高速道路での使用も不足を感じることはなかったので、街中からツーリングまで楽しめるだろう。
キュイッと切れ込む素直さが魅力!
低速から粘り強くジワジワ加速していくマイルドなキャラクターは、親しみやすさ満点。トコトコのんびり走るのが性に合うようで、決して強い個性の持ち主ではないけれど、カーブや曲がり角では、そのクセのなさがキラリと光る魅力となる。体重移動などを意識しなくても、内側のハンドルにちょこっと力を加えるだけでキュイッと車体が切れ込み、コンパクトにスイッと曲がってくれるのだ。カーブや曲がり角の多い街中でも楽しく走れるはず!