新しいコンセプトを持つスポーツバイク
80年代から90年代にかけ一大ブームを巻き起こした、フルカウルのロードスポーツバイク。近年になって再びその気運が高まってきており、ホンダが満を持して発表したのがCBR250Rだ。
まずスタイルは、車名とは裏腹にVFR1200Fのイメージを踏襲。親しみやすく、かつ高級感のあるデザインとしている。エンジンは新開発の水冷DOHC4バルブ単気筒を搭載。バイク歴の長い人は、CBR250Rといえばかつて存在した並列4気筒モデルを連想するかもしれないが、現行のCBR250Rは単気筒エンジンとなっている。軽量かつコンパクトなエンジンによって、まったく新しいスポーツバイクとして開発されているのだ。
PCXと同様、海外生産による世界戦略車。44万9,400円(ABSは49万9,800円)という低価格も注目度が高い。
DETAIL
RIDING POSITION & FOOT HOLD
●ライダー:身長178cm/体重78kg
シート後部が高くなっているため、またがるときに足を引っかけないように注意した。シートとステップの位置が若干近く感じるのでヒザの辺りに窮屈な感じがするけどシフトチェンジやブレーキは問題なく行なえた
フルカウルだけどシート高は780mmと標準的だし、シートも端が切り込まれていて足つき性は良好。両足のカカトまでしっかり着きさらにヒザにも少し余裕がある。ステップが少しふくらはぎに当たったのでズラしたけど支障はないレベル
●ライダー:身長178cm/体重78kg
シートに段差があるためタンデマーと干渉することはほとんどなく、ポジションにも変化はない。タンデマー側のシートが高い位置にあるため乗り降りの際にはバランスを取るのに少し気を付ける必要がある。足つきがいいので車体は支えやすい
●タンデマー:身長151cm/体重43kg
座面の広さはけっこう小さめな印象。ライダーとタンデマーで座る場所がしっかり分けられており、ライダーより高い位置に座ることになるが、グラブバーも装備され、ヒザで腰をホールドしておけるので“置いてけぼり感”は薄い
COLOR VARIATION
SPECIFICATIONS※[]のデータはABS
- 全長×全幅×全高
- 2,035×720×1,125mm
- 軸間距離
- 1,370mm
- シート高
- 780mm
- 車両重量
- 161[165]kg
- エンジン型式・排気量
- 水冷4ストロークDOHC 4バルブ 単気筒・249cm3
- 最高出力
- 23kW(27ps)/8,500rpm
- 最大トルク
- 22N・m(2.3kgf・m)/7,000rpm
- タンク容量
- 13L
- 価格
- 44万9,400円[49万9,800円]
STAFF’S IMPRESSION
単気筒でもやっぱりスポーツバイク!
以前サーキットで走ったことはあったけれど、街中での試乗は初めて。まずはゆっくりのんびり走ってみたのだけど、意外なことに強い印象はなかった。「あれ…? まぁ、普通の単気筒バイクだね…」という印象を受けてしまったことに自分でも驚いたのだけど、ちょっとスポーツ走行を意識して、高回転域まで回してみたらコレがオモシロい! 小さくてもスリムでも、やっぱりちゃんとスポーツバイクなんだなぁということをあらためて感じた。
初めての1台にオススメなモデル
なんて乗りやすいバイクなんだろうというのが第一印象。ハンドルはセパハンながら、前傾姿勢にはならず、シートの高さや形状もキツさを感じることはなく、身長151㎝でもラクなポジション。そのため、身長が低い人でも気負うことなくスロットルを開けられる。コーナリングもスムーズだし、雨の日にも走ったのだけれどABSシステムは安定感が高く、ブレーキング時の不安を軽減してくれた。初めてのバイクとしてもオススメの1台。
スポーティな気分を味わえる!
ハンドルが下がり気味のため、停車時はやや腰の位置が高いように感じるけれど、ハンドルでしっかり車体を押さえていられる。走り出しではグイッと前に押し出してくれる力強さがあり、その印象は2速→3速→4速とギヤを上げても変わることがなく、気持ちよくスピードが伸びてくれるのだ。今回は街中での走行のみだったけれど、レーシーなスタイルとは裏腹にトガッた印象はなく、全体的にマイルド。250クラスでスポーティなスタイルを楽しみたい!という人にもってこいだと思います。