熟成の進む、ネイキッドの王道
ビッグネイキッドとしてのXJRシリーズは、当初1200ccとしてデビュー。96年には排気量を1300ccにアップし、06年にはFI化もはたして進化を続けている。ちなみにFI化したときには、これまで左右2本出しだったマフラーを右側1本に変更。これによってスポーティなイメージを高め、騒音や排ガス規制などもクリアしている。
そしてこのバイクで見逃せないのが、リヤサスペンション。高性能サスペンションとして人気の高い“オーリンズ”を、ノーマルの状態で装備しているのだ。フロントフォークのセッティングも見直され、従来モデルよりもさらに高い運動性能が追求されている。XJRシリーズはデビュー以来一貫して空冷エンジンにこだわり、オートバイらしい外観を追求してきたが、もちろん走行性能についても進化が続いているのだ。
DETAIL
RIDING POSITION & FOOT HOLD
●ライダー:身長178cm/体重78kg
さすがリッターバイクなだけあってライディングポジションを構えてもかなり大柄な印象。サイドスタンドを払い車体を起こすのもけっこう力が要る。しかし、またがってしまえばフラつきにくいのでバランスは取りやすかった
シート先端のエッジ部分が丸くなっているおかげで足つきもよく、両足ともカカトまで着きヒザにも少し余裕があった。ただ車幅があるので、足を真っすぐ下ろすと開脚気味なるがバランスは取りやすい
●ライダー:身長178cm/体重78kg
リッターバイクの重量と安定感が高いおかげで、タンデマーが乗り込むときでもほとんどバランスをくずすこともなかった。シートのスペースは十分あるが2人の距離が近いのでバランスは取りやすい
●タンデマー:身長151cm/体重43kg
奥行きも幅もある広いシートで、ヒザがライダーの腰に軽く干渉する程度。ずっしりした車体と相まって安定感は抜群で、フカフカしたラグジュアリーな座り心地。グラブバーもしっかりしていてにぎりやすく、走行中の安心感も高い
COLOR VARIATION
SPECIFICATIONS
- 全長×全幅×全高
- 2,175×765×1,115mm
- 軸間距離
- 1,500mm
- シート高
- 795mm
- 車両重量
- 245kg
- エンジン型式・排気量
- 空冷4ストロークDOHC 4バルブ 並列4気筒・1,250cm3
- 最高出力
- 74kW(100ps)/8,000rpm
- 最大トルク
- 108N・m(11kgf・m)/6,000rpm
- タンク容量
- 21L
- 価格
- 108万1,500円
STAFF’S IMPRESSION
存在感ある重厚な空冷ビッグネイキッド
ゴウゴウという音がいかにも空冷なこのマシン。走ってみてもこのメカニカルノイズのおかげで、つねに“空冷”エンジンの存在を感じられる。走りは1,300ccのビッグトルクにモノをいわせて、巨躯をグイグイと押し出す感じ。決して鈍重ではないが、つねにその“車重”を感じる重厚な作りがいかにもビックマシンという雰囲気だ。ただ、その分取りまわし時の重さが気になるところ。購入を検討している人は、ぜひとも試乗車などで実感してほしいところだ。
ビッグバイクの所有感を堪能できる1台
まずバイクを押すときに、そのズッシリとした重さを感じる。そして、またがっても今どきのコンパクトな1,000ccスーパースポーツとは違う大きさを感じ、自分は今からビッグバイクを走らせるんだという気持ちになるのだ。実際に走らせると、やはり重さがある。ただ、嫌な重さではなく、ビッグバイク然とした重さ、ビッグバイクを走らせているんだと満足できる重さなのだ。エンジンの空冷らしさも好印象で、あらゆる面にバイクらしさを感じられる車両といえる。
オールラウンダーという名がピッタリ
太いサウンドがそのままエンジンの鼓動のように身体を伝わる、さすがビッグバイクといった迫力だ。その走りは巨体に似合わず(?)とても素直で、もちろんアクセルをワイドに回せば鋭いレスポンスが感じられるけど、逆にじわっと開けていけば低速もマイルドで、とっても安定感が高い。扱いやすさを備えつつハイレベルな要求にも応えてくれる懐の深さがある。これ1台あれば何でもできちゃう、本当にそんな気にさせてくれるバイクだね。