ユーザーを選ばない新感覚バイク
コンセプトは「フリーライド・プレイバイク」。場所や乗り方を選ばず、どんなスタイルでも楽しめるというものだ。そのスタイルからは、トラッカー系モデルのような“ダートの雰囲気”と、ストリート系モデルのような“自由さ”が見えるものの、既存のジャンルに当てはまらない新たな1台といえる。
ホイールはフロント19、リヤ16インチを採用。本格的なオフロードバイクよりも若干小径で、シート高もオフ車に比べれば低めに抑えられている。しかし軽量な車体とアップマフラーなどオフロード的な装備も持っているため、ちょっとした林道くらいなら難なく走れてしまうのが特徴だ。また車両重量125kgという軽さは街乗りにおいても有効で、軽快なハンドリングと相まって大活躍してくれる。さまざまなユーザーが、さまざまな用途で楽しめる1台といえるだろう。
DETAIL
RIDING POSITION & FOOT HOLD
●ライダー:身長178cm/体重78kg
ハンドルが高い位置にあるわりにシートの高さが低いため、まるでオフロードバイクのポジションで背筋が伸びた状態になる。ステップとシートの高さが離れているせいかヒザのまわりなどが窮屈に感じることはない
座ったまま足を真っ直ぐ下ろすとステップに足が当たってしまうため、干渉しないように足を広げて座った。ポジションはオフロードのようにシートの先端に座るため、足つきはさらによくなりバランスも取りやすい
●ライダー:身長178cm/体重78kg
スリムな車体と足つきのよさでタンデマーが乗り降りする際でもふら付いたりすることはなかった。シートは前後に細長いものの、2人が乗るには少し短い印象。タンデマーとの距離が近く、圧迫感があった
●タンデマー:身長161cm/体重45kg
シートの座面が狭く幅もあまり広くないので、タンデムするとライダーとの密着感はかなり高い。グラブバーが装備されているので安心感はあるものの、やはり長時間のタンデムはしんどいかもしれない
COLOR VARIATION
SPECIFICATIONS
- 全長×全幅×全高
- 1,980×800×1,145mm
- 軸間距離
- 1,330mm
- シート高
- 810mm
- 車両重量
- 125kg
- エンジン型式・排気量
- 空冷4ストロークOHC 2バルブ 単気筒・249cm3
- 最高出力
- 14kW(18ps)/7,500rpm
- 最大トルク
- 19N・m(1.9kgf・m)/6,500rpm
- タンク容量
- 7.2L
- 価格
- 45万7,800円
STAFF’S IMPRESSION
幅広い用途で活躍しそう
乗車姿勢は、ハンドル位置が高く設定された上体が起きるスタイル。シッティングからスタンディングに移行もしやすいので、居住性がすこぶるいい。エンジンは低速からしっかりとトルクがあり、高回転域までよどみなく回るので、パワフルすぎることもなく排気量とあいまって扱いやすい。車重が軽く、そのおかげもあってハンドリングも軽いうえ車体の挙動がわかりやすい。ビギナーはバイクの動き方を学べるし、トータルでの扱いやすさは、幅広いステージで活躍するだろう。
なんでもやってみたくなる!
オフロードバイク? ストリートトラッカー? ジャンル不明のエキセントリックマシン・トリッカー。ヤマハとしてはロードモデルと位置付けているけど、実際に走らせてみると不整地走行やウイリーなど、アクティブな走りもかなりイケル。発売当時のデモンストレーションにトライアルライダーを起用して、どハデなアクションをしたりしていたけど、実際、僕らが乗ってみてもかなり楽しい。タイヤさえ換えれば、林道ツーリングはもちろん、足つきもいいしトレッキングだってお手の物だ。
ヤンチャで元気なプレイバイク
アクセルを少し開けるだけでタイヤが地面を力強くグイッとけり込み、フロントフォークが上に伸びるのが体感できるほど低速でのトルクが強く、元気なキャラクター。走り出しの瞬発力は力強く、ダララララッ!という荒々しい排気音とともに「待ってました!」といわんばかりで、“遊べるバイク”としての意志が感じられる。その分、アクセル操作をラフに行なうとダイレクトに挙動に表われ、フロントがガックンガックンと浮いたり沈んだりするが、ハンドリングも軽快で、バイクを操る楽しさを感じさせてくれる。