現行400ccでは貴重な存在
ニンジャ400Rは、エンジンに並列2気筒(パラレルツイン)を採用している。400ccのロードスポーツとしては珍しい方式だが、先に登場しているニンジャ250Rもこの型式のエンジンを搭載していることもあり、カワサキにとっては一つのお家芸と言ってもいいだろう。
またその他に車体構成で注目すべきは、何と言ってもフルカウル。2010年10月現在、国内400ccクラスでフルカウルを装備したロードスポーツはニンジャ400Rしかラインナップしていない状態なので、非常に貴重なモデルと言うことができる。その本格的なスタイリングからレーシーなバイクだというイメージを持つかもしれないが、ハンドルはネイキッドなどと同じような形状のバーハンドル。どちらかといえばツアラー的なポジションになるので、キツい前傾姿勢が苦手な人でも心配する必要はない。
DETAIL
RIDING POSITION & FOOT HOLD
●ライダー:身長178cm/体重78kg
シートの後部がせり上がっているので、またがるときに足が引っかかってしまわないか少し気をつかった。ハンドルは位置が高く手前まで伸びているので、ネイキッドタイプなどと同じように上体が起き上がるくらいゆったりしたポジションになる
シートの形がくびれているおかげで、思っていた以上に足つきは良好。両足ともカカトまでしっかり着くうえ、ヒザも少し曲がる。それだけ足に余裕があるので、開脚気味に足を下ろせば、ステップやシフトレバーが足に干渉することはない。ハンドルから手を離してもフラつかないくらいバランスも取りやすい
●ライダー:身長178cm/体重78kg
ライダーとタンデマー側で段差があり完全に分かれているので、ポジションがきゅう屈に感じることはなかった。ただ、タンデマーの位置が高いので乗り込むときに車体がフラつかないように少し気をつかった
●タンデマー:身長151cm/体重43kg
座面が前のシートより上方に設定されていることもあってか、ライダーとの密着感は薄い。ただ、グラブバーが付いているのと、ライダーの腰部をヒザでホールドできるポジションのため、不安を感じることはない
COLOR VARIATION
SPECIFICATIONS
- 全長×全幅×全高
- 2,100×760×1,200mm
- 軸間距離
- 1,410mm
- シート高
- 790mm
- 車両重量
- 203kg
- エンジン型式・排気量
- 水冷4ストロークDOHC 4バルブ 並列2気筒・399cm3
- 最高出力
- 32kW(44ps)/9,500rpm
- 最大トルク
- 37N・m(3.8kgf・m)/7,500rpm
- タンク容量
- 15L
- 価格
- 64万9,000円
STAFF’S IMPRESSION
サイズダウンを感じないパワフルさが◎
ニンジャ400Rは、同系列の650ccエンジンをサイズダウンしたエンジンを採用。乗ってみて「意外に走るジャン」と驚いた。この手のサイズダウンモデルにありがちな非力感がないのである。いや、少ないというよりもむしろよく走る。低速での力もそこそこあるからエンストしそうもないし、常用域もストレスフリー。しかも、7,000、8,000と回転数を上げていっても十分力強く、音も走りも元気になってかなりパワフル。コイツはけっこう走るぜ!
また欲しいバイクが増えました
一見すると身長151cmの私には車格が大きそうだと感じたので、またがってライポジを取ると「意外…」とつぶやいてしまったほど、見た目の大きさを感じず、しっくりとくる。ガソリンが満タンだったので、押し引きは多少重たさを感じたけれど、400ccの教習車を取りまわせるならなんら問題ないだろう。個人的に好きな2気筒エンジンなので、その鼓動を感じながらの走りは「楽しい」のひと言。ただサスペンションがやや硬いのか、路面から伝わる振動が強めだと感じる場面もあった。
見た目がまずカッコいい(笑)!
「黒で統一されたカラーリングはどこかモノ足りない」なんて、いっちょ前のことを思っていたのだけど、なぜかこの黒一色のニンジャ400Rのスタイルに頬を染めた私。その衝動のまま乗ってみれば、これまたビックリ!女性から見るとその見た目から少し取っ付きにくさを感じてしまうかもしれないけど、高速道路でも力強く走ってくれるし、抑えるところでも不安なく乗り手を支えてくれる。ビギナーでもやさしく受け入れてくれるから、初バイクとしてもオススメです♪