シンプルに徹したロードスポーツ
CB223Sは、車名のとおり223cc単気筒エンジンを搭載するロードバイクである。開発キーワードは「ベストマッチアイテム」。二輪車のある生活をもっと身近に楽しむことを目的としており、シンプルなスタイリングと扱いやすいエンジン特性などが重視され、エントリー層を中心に支持を受けている。
223ccという排気量を見ればわかるが、開発のベース車両となったのは、トラッカーモデルのFTRである。エンジンの型式もFTRと同一のもので、出力やトルクなどのスペック上の数値もFTRと同一。ただし、ロードスポーツモデルに求められる軽快な走りを実現するため、フレーム剛性の変更が行なわれている。
ルックス的には、ティアドロップ形状の燃料タンク、フラットな形状のシート、丸型ヘッドライトなどいかにもオートバイらしいシンプルなデザインが特徴。ライダーを選ばずさまざまなシーンにマッチしてくれる1台だ。
DETAIL
RIDING POSITION & FOOT HOLD
エンジンは223cc単気筒なので、車体は非常にスリム。シート高も780mmという数値なので、足つき性は非常に良好だ。車体も軽く、またがった状態で不安に感じることは「ない」と言っても過言ではない。またライポジにもさほど窮屈感なし。
●ライダー:身長175cm/体重70kg
意外に座面は確保されているので、「タンデマーのために前寄りに座る」といった気づかいは不要。運転への影響もさほど感じなかった。
●タンデマー:身長178cm/体重78kg
ポジション的には、それほど窮屈感なくタンデムできる。「つかまりどころ」がないのがネックなので、できればグラブバーがほしいところ。
COLOR VARIATION※以下のカラーはソリッドカラー
SPECIFICATIONS
- 全長×全幅×全高
- 2,100×780×1,110mm
- 軸間距離
- 1,395mm
- シート高
- 780mm
- 車両重量
- 135kg
- エンジン型式・排気量
- 空冷4ストロークOHC 単気筒・223cm3
- 最高出力
- 12kW(16ps)/7,000rpm
- 最大トルク
- 18N・m(1.8kgf・m)/5,500rpm
- タンク容量
- 11L
- 価格
- 42万9,450円(ソリッドカラーは41万8,950円)
STAFF’S IMPRESSION
意外に潜在能力は高いと思う
乗る前は「FTRにロードタイヤを履かせただけだろ…」などとマイナスなイメージを持っていたバイクだったのだが、いやいやこれが、ちゃんとロードバイクしてて楽しいのだ! 軽い車体を活かしてキビキビとよく走るし、ライポジも普通のバイクっぽいのでFTRとは明確に乗り味が違う。企画では男2人タンデムでの高速道路走行を行なったんだけど、そんな用途にもしっかり応えてくれて、ヤワなイメージは感じなかった。目立たないバイクだけど、確かな実力を持ってるぞ!
あなどっていたことをおわびしたい!
企画では男2人のタンデムツーリングを敢行。さすがにキツいだろうと思ったけど、どっこいコイツのふところは本当に深い。シートがフラットだから、座るだけならタンデマーも窮屈さを感じずにゆったり構えることが可能だ。さすがに長時間座っているときに姿勢を変えようとするとちょっと怖かったし、グラブバーが欲しいなと思ったりもしたけど、それ以外の部分で気になるところはなかった。強烈な個性はないけれど、走るのが純粋に楽しいバイク。本当に楽しめました!