HARLEY-DAVIDSON FXDWG -Dyna Wide Glide-

カラー:セドナオレンジフレイム

ハーレーらしいチョッパーテイスト

ひと口に「ハーレー」と言ってもさまざまなシリーズがあり(メーカーではこれを「ファミリー」と呼んでいる)、それぞれのファミリーが独自の個性を持っている。ここで紹介するダイナ・ワイドグライドは、その名のとおりダイナ系(ダイナファミリー)のモデルだ。
ダイナ系の特徴は、“ダイナグライドフレーム”を採用していることで、ソフテイル系などに比べるとスポーティなモデルといえる。2010年に、3年ぶりに復活したワイドグライドは、非常に個性的なルックスを持っている。タンクには炎のカラーリングパターンがほどこされ、スラッシュカットされた極太マフラーを装備。またハンドルには“インナーナルワイヤハンドル”というものが採用されており、スイッチボックスなどにつながる配線をハンドルパイプ内に通すことでスムージング化し、ハンドルまわりをすっきりとした印象にしている。ほかにもLEDテールランプや、ノーマルフェンダーをカットした“チョップドリアフェンダー”などを装備しているのだ。多くの人が思い浮かべる「ハーレー」の姿を具現化したような1台ではないだろうか。

DETAIL

ダイナファミリーの5機種のなかでももっとも“ロー&ロング”のチョッパーテイストが強調されたフロントフォーク。キャスター角・34度、トレール量・約132cmを誇っている。メッキパーツの美しさも際立っている

多くのバイクでは、イグニッションをオフにした延長上でハンドルロックをかけられるようになっているが、このモデルでは、タンクの付け根にあたるフレームの右サイドに、専用のキー穴が装備されているクルーザーモデルなどで多く採用される方式だ

ウインカースイッチが、右と左のスイッチボックスに一つずつ付いている。それぞれを同時に押すとハザードを点けられる。このほか、右には始動スイッチとキルスイッチ、左にはヘッドライトの切り替えスイッチ、ホーンが装備される
クルーザーでは定番のビルトイン式メーター。スピード計はアナログ式。下部にはデジタル式トリップメーターが装備される。手前のツマミを右にひねるとキーなしでエンジン始動が可能。ツマミのフタを開けると、ツマミをロックしておくためのキー穴がある

迫力満点のVツインエンジンから伸びる、2本出しのスラッシュカットマフラーは、これまた存在感抜群。磨き甲斐もあるうえ、所有感も高めてくれるポイントだろう。また、ワイルド&ず太いサウンドは、オーナーの心を揺さぶること間違いなし
駆動には、歯付きベルトという、耐久性の高い溝の入ったベルトを用いたベルトドライブ方式を採用。スプロケットにあたる部分が大きくなるが、こまめな注油と清掃が必要になるチェーンタイプに比べてメンテナンス性が高く、騒音が少ないのがメリット

RIDING POSITION & FOOT HOLD

●ライダー:身長178cm/体重78kg
ハンドル位置が高く、シートはタンクよりも下がるためグリップ部分が胸の高さにくる。さらにステップはハンドルよりも前にあるため足を投げ出すようなスタイル。ステップに届かせるために足はほとんど伸びきってしまう


●ライダー:身長178cm/体重78kg
前後でシートに高低があるため、お互いのスペースが干渉されることはない。また、シートが低いこともあってタンデマーの乗車もラクにできるので車体のバランスをくずすことはなかった
●タンデマー:身長151cm/体重43kg
シートはライダーと座面が分けられた鞍型で、幅は狭いものの厚みがあり、座り心地は快適。パイプ状のグラブバーがお尻をホールドしてくれるので安心感も抜群。ライダーとの距離は近めだがきゅう屈ではない


SPECIFICATIONS

全長×全幅×全高
2,436×918×1,180mm
軸間距離
1,740mm
シート高
680mm(ライダー乗車時)
車両重量
310kg
エンジン型式・排気量
空冷4ストロークOHV V型2気筒・1,584cm3
最高出力
最大トルク
113N・m(11.5kgf・m)/3,000rpm
タンク容量
19.3L
価格
200万円
カラーバリエーション
ビビッドブラック
ビビッドブラックフレイム
クロームイエローフレイム
セドナオレンジフレイム

STAFF’S IMPRESSION

やたぐわぁ

やたぐわぁのインプレッション

ハーレー感を存分に味わえる1台

大柄な車体がとにかく大迫力で、どことなくであるがそのスタイリングに生産国である“アメリカ”という国を感じてしまうのは僕だけだろうか? ステップも日本車に比べると遠いし、ハンドルもかなりワイド。身長172㎝の僕でもちょっと大きく感じるぐらいだ。実際、しっかりハンドルとステップに手足が届くように座ると、背もたれと腰に拳1つ分の隙間ができてしまった(まぁ、足の長さもあるんだろうけどね…)。エンジンをかければ“ドコンッ”と大きな音をたてて始動するVツイン。ブルブルと震えながらアイドリングするさまは、まさにハーレーそのもの。ここまでエンジンの鼓動をダイレクトに感じられる車両も現行車ではめずらしいし、走り出しのダッダッダッと地面を蹴るような力強いフィーリングも存分に楽しみたいところ。だがこの強烈な鼓動感も、アイドリングから低速域までの話。少しスピードを上げれば一気にこの鼓動感が収束し、乗りやすいマイルドなフィーリングに変化。人にもよると思うけど、この鼓動感が原因で疲れるなんてことも少ないんじゃないかな。


ヤシロのインプレッション

“バイク見知り”をしてたけど…

両足を前方に投げ出すようなポジション、バイク全体から響きわたる「ドッパーン…ドッドッド…」というエンジン音、そして鉄の固まりと化した重い車体…。いつもなら挙手制で乗りたいバイクに飛び乗る私だけど、コレは最後まで横目でチラ見をしてようすをうかがっていた存在。だけど、そんな薄情者の私より先に歩み寄ってくれたのもこのFXDWGだった。ビギナーの私にでも恐がらせずに、車重のあるドッシリとした安定感を与えてくれて、少し不安のあった高速道路でもつねに一歩リードしてくれる。ただ、上り坂などで重心が後ろに下がってお尻がズレる際にステップへ伸ばす足がギリギリになって、ギヤチェンジなどの操作が少しもどかしくなった。小柄な人はちょっと戸惑う場面かも。でもライディング自体はホントに快適。他のドライバーからの熱い視線(勘違い!?)にも、ちょっと気分も上昇気味(笑)。加えてバイクに負けず劣らず一緒にファッションも楽しみたくなるハズ♪ そんな所有感が味わえるのも、このFXDWGの魅力だと思うな~。

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