BMW F800R

カラー:クリス・ファイファー エディション

コンパクトな並列2気筒モデル

BMWのラインナップは、搭載しているエンジンによっていくつかのシリーズに分かれる。もっとも有名なものが、水平対向2気筒エンジンの“R”シリーズで、このエンジンは通称“ボクサーエンジン”と呼ばれ、BMWの代名詞的な存在でもある。
その他には直列4気筒の“K”シリーズや、水冷DOHC単気筒&並列2気筒エンジンを搭載する“F”シリーズが存在。ここで紹介するF800Rも、このFシリーズにカテゴライズされる1台である。同シリーズにはカウル付きのF800SやF800STもラインナップしているので、日本的ジャンル分けをするならばネイキッドモデルになるだろうか。非対称なヘッドライトがなんとも個性的だ。
搭載されるエンジンは、798cc並列2気筒。最高出力は87psを発揮し、これはF800SやSTから2馬力のアップ。トルクも同様にアップしている。ミッションもエンジンのパワーアップにともない変更、駆動方式もベルトからチェーンへと変更されている。
欧州車としては手ごろな価格で、車格もBMWのラインナップとしては比較的コンパクトな部類。ビッグバイクビギナーにも適したマシンと言えるのではないだろうか。

DETAIL

BMWのラインナップに多い左右非対称のフロントマスクは、同車にも採用され強い個性を放っている。また、ヘッドライトの両側にあるウインカーには光量の多いLEDが使われていて、コンパクトながら被視認性を高めている
個性的なメーターは大きく3つのフィールドに分けられる。右の液晶には時刻、距離計、ギヤインジケーター、燃料残量計が表示。中央のアナログメーターは下が回転計、上が速度計、さらにそのなかにウインカーランプが点灯する

F800シリーズが搭載している800cc水冷並列2気筒のエンジンは、最高出力87psという十分なパワーを発揮し、クイックな加速から高速巡航までをそつなくこなす。チェーンドライブは日本車とは逆の右側にある
Fシリーズの燃料給油口はシートの右側後方にある。ちなみに燃料はハイオクを使用。ライダーがニーグリップするタンク状のもののなかには、エアクリーナーボックスやバッテリーなどの電気系統が収められている

スタント・ライダーのクリス・ファイファー選手の世界チャンピオン獲得を機に製作されたクリス・ファイファー エディションもラインナップ。オリジナルペイントやシングルシートカウルなどを装備しスポーティなスタイルを強調
イグニッションキーを使ってシートは簡単に取り外せ、交換することができる。オプションで用意されているのはローシート(775mm)、ハイシート(825mm)の2タイプ。ノーマルはミディアムハイシート(800mm)となる

RIDING POSITION & FOOT HOLD

●ライダー:身長178cm/体重78kg
今回の使用したシートはローシートでノーマルモデルよりも25mm低い。その分シートのクッション性も低くなっていたが長時間座ってもお尻が痛くなることはなかった。また、ハンドルやステップの位置も操作するのにちょうどよかった


●ライダー:身長178cm/体重78kg
タンデマーが乗り込むとき左のステップに荷重があったものの、心構えをしておけばフラつくことはない。ライダー側のスペースが十分確保されているため居住性も高く、タンデマーが乗ってもきゅう屈さはなかった
●タンデマー:身長151cm/体重43kg
座面は広くはないが狭くもない。ライダーより高い位置にあるものの、ライダーの腰をヒザではさむことができ、距離も近めなので、置き去りにされるようなことはない。グラブバーもあるので安心感は高い


COLOR VARIATION

カラー:アルピンホワイト×ブラックサテン
カラー:ホワイトアルミニウムメタリックマット

カラー:ファイアオレンジ
カラー:シャインイエローメタリック×ブラックシルクグロス

SPECIFICATIONS

全長×全幅×全高
2,082×812×1,240mm
軸間距離
1,520mm
シート高
800mm
車両重量
199kg
エンジン型式・排気量
水冷4ストロークDOHC 4バルブ 並列2気筒・798cm3
最高出力
64kW(87ps)/8,000rpm
最大トルク
86N・m(8.7kgf・m)/6,000rpm
タンク容量
16L
価格
106万4,000円(アクティブライン)~

STAFF’S IMPRESSION

マンボサイトー

マンボサイトーのインプレッション

素直な乗り味にビックリ

外車というと、エンジンが「ダカダカダカッ!」と荒々しく回るものというイメージがあったけど、F800Rは「ドリューン!」と気持ちよく吹け上がる。すごくスムーズで、このフィーリングはとっても気持ちよかった。ポジションはゆったり気味で、日本のネイキッドにも近いんじゃないかな。非常に扱いやすくて、乗りやすい。ビッグバイクビギナーにもオススメできるバイクだと思ったね。街乗りにだって十分使えるし、なんだか外車に対する先入観を根底からくつがえされるような体験だったなぁ。


タロー

タローのインプレッション

心地よくスポーツを楽しむ

エンジンは、4気筒スーパースポーツのようなレスポンスのよさはないけれど、トルク感のある加速でグイグイ車速が上がっていく。トルクの谷もなく扱いやすい出力特性といえるだろう。車体は重心のバランスかライダーの意思にニュートラルに反応してくれて、さらに軽快である。コーナーで車体を倒し込んでいくときも、安心感がある。スポーティな走りには向いているセッティングになっているが、その分サスペンションが硬いと感じる場面もあった。


ヤシロのインプレッション

乗らなきゃ気付けない器のデカさ

コレに乗るのは実は2回目。個性の強いフロントマスクが印象的で、どこか高級感が漂う出で立ちに初めのころはどこか取っ付きにくさを感じていたけど、性格はとっても穏やか。“特別感”というツンとした表情なんてむしろ感じなくて、ドーンと構えて乗り手を待っていてくれるような存在。モーターのようなやさしいエンジン音で、多少ラフに扱っても不快な挙動を乗り手に伝えない。いつもペースを乗り手に合わせてくれる、実はビギナーにやさしいバイクなんです♪

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