社会に出て2年め。ふと人生振り返ると、ダラダラと生きてきたなぁと…。そんなふうに感じ出したころ、街中をスッと走り抜けていくバイクに目が止まった。自由に自分の意志を持って走り回っている感じがして、“アレに乗れば何かが変わるんじゃないか”と思ったわけ。そして、すぐに教習所の扉をたたき、思い切って限定のない大型二輪免許を取ったのだ。
選んだバイクは、スズキのKATANA。ただ単純にカッコいいと思ったから。やっぱり自分がいいなと思ったモノじゃないと、乗らなくなる気がする。乗り始めて間もないけれど、最近はキャンツーにハマっている。大学入学に合わせて上京して今年で6年、ずっとせかせかした日々を送り続けて、ゆったりとした時間がほしいと最近は思うようになった。そして、一人で行くキャンツーがまさにその時間なのだ。
タンデムシートがフラットなのとそこそこの面積があるからバッグが置きやすい。さらにシート裏から左右に荷かけフック用ループが出せるのと、タンデムステップのステーが荷かけフックとして使えるから固定もしやすい。というわけで、そこそこ大きな荷物も積めるのだ。
車体重量が215kgと既存のネイキッドモデルに比べると軽い。さらにハンドルが身長175cm前後の人にとって押しやす位置にあるのだ。重心位置も高すぎず低すぎずでフラつきにくい。
メインキーをオンにすると、メーターに刀のロゴが浮かび上がる。ちょっとしたギミックだけど、“走りに行こうぜ!”というマシンからの呼びかけのようで少なからず気持ちは高ぶるのだ。
デカイ荷物を積んでいると、発進時にクラッチをつなぐ際、トルクが足りなくてエンスト→立ちゴケってパターンに気をつけたほうがいいよと言われたことがある。ところがカタナは発進時や低回転走行時に、エンジン回転数、ギヤポジション、スロットル開度、クラッチスイッチの情報をコンピューターがチェックしてエンジン回転の落ち込みを制御するローRPMアシスト機能がついているから、ナーバスになることなく発進できるんだよね。あと、スターターボタンをワンプッシュすればエンジンが始動するスズキイージースタートシステムもラクなんだよね。
もとをたどればスーパースポーツモデルのエンジンなので、高速道路のアプローチでも十二分な加速を見せてくれるし、巡行からの追い越しでも動力性能で不満を感じることなんてなし。大きな荷物を積んでいたとしてもね。ただ、走行風は思いっきり当たるので、冬場は寒さ対策をしっかりしないとだけど…。
イタリア人がデザインしたって聞いているけれど、日本の風景とすごくマッチすると思うんだよな。どうっすか、波のある海と朝日とカタナのある風景。
やっぱり行った先の名物は食べておきたいよね。今回はイワシの丸干しなんだけど、正しい食べ方ってあるんだろうか(笑)?
田舎やキャンプ場で出くわすのが未舗装のジャリの浮いた道や落ち葉におおわれた道。本来ならライダーがすべって転倒しないようにナーバスにならなきゃなんだけれど、カタナはトラクションコントロールシステムが搭載されているからほとんど気にすることなし。ちなみにシチュエーションに合わせて、システムが作動する介入度を変えられるすぐれモノ。電子制御システムバンザイ!
鳥のさえずりが響き渡り、風のとおり道が木々の音でわかる。都会では絶対に耳にしない自然が織りなす音と光が、都会の喧騒で磨り減った心を癒してくれる。カバンに詰め込んできた小説を読みふけったり、ただボウ~ッと周りを眺める。別に何かをしているわけじゃないけれど、体から抜け出たモノが再び満ちてくるのがわかる。
テント横にその肢体を横たえるエッジの効いたスタイリングのカタナは、時間の移り変わりとともにその表情を刻々と変えてゆく。それゆえにただただ眺めていても飽きないのだ。いわゆる一目惚れってやつで手に入れたんだけれど、日に日にカッコよさが増してきている。まるで噛めば噛むほど味が染み出してくるスルメのようなバイク?!
ローRPMアシスト機能とかけ始めの効き具合もハッキリと伝わってくる前後ブレーキによって、キャンプ場によっては出入口やサイトまでのアプローチが足場の悪い下り坂だったりするけれど、そんなところをゆっくり降りるのも不安はない。先に挙げたようにバッグも積みやすいので、意外とキャンツー向きのバイクじゃないのと思ってしまうのだ。
カタナはパフォーマンスを見る限りはスポーティなバイクだと思うけれど、上体の前傾を強いられることはないので、ポジション的にきびしいと感じることはない。適度な休憩を取りながら長時間走り続けることも全然可能なのだ。
家からちょっと行ったところにバイカーズカフェを見つけ、バイクで出かけた際には、帰りがけに寄ることが多くなった。いれてくれるコーヒーが気に入っているもあるけれど、先輩ライダーから、タメになるのからならないものまで(笑)いろいろな情報をもらえるのも楽しかったりするのだ。それにしてもカタナが止まっているのは初めて。どんな人が乗っているんだろ??
To Be Continued…
EPISODE.1 キャンプ MOVIE VERSION
主人公の愛車『SUZUKI KATANA』
SPECIFICATIONS
- 全長×全幅×全高
- 2,130×835×1,110㎜
- 軸間距離
- 1,460㎜
- シート高
- 825㎜
- 車両重量
- 215㎏
- エンジン型式・排気量
- 水冷4ストローク DOHC 4バルブ 並列4気筒・998㎤
- 最高出力
- 109kW(148ps)/10,000rpm
- 最大トルク
- 107N・m(10.9kgf・m)/9,500rpm
- 燃料タンク容量
- 12ℓ
- タイヤサイズ
- 120/70ZR17(F)・190/50ZR17(R)
- 価格
-
154万円(税10%込)
CONTACT
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- スズキお客様相談室
- 電話番号
- 0120-402-253
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