キャンプツーリングの帰り、行きつけになりつつあるカフェに寄ったら黒いカタナが止まっていた。発売されてさほど経っていないバイクだから、自分以外のを街中で見たのは初めて。誰だって愛車と同じバイクを見かければ、どんな人が乗っているのか気になるところ。当然ながらボクもそう。それにしても随所にエッジの効いたデザインのカタナが2台並ぶとかなりのインパクトだ。
「黒いカタナのオーナーさんですよね? ボクも同じ新しいカタナに乗っているんですよ」
ってなところから会話が始まり、彼女が最近バイクに乗り始めたこと、カタナが最初のバイクだってこと、そしてまだツーリングに行ったことがないことを知った。となれば、誘うしかないでしょ。とりあえず、連絡先を交換できたし…。
お誘いのメッセージを送ったら、時間を置かずにOKの返事来た~!
ロードバイクの楽しみ方を挙げると、サーキット走行なんかもあるけれど、もっとも気軽に楽しめるのはやっぱりツーリング。それだけに、初ツーリングで、“ツーリングってすごく楽しい!”と思ってもらうことが大事なのだ。一度楽しいと思えば、次も行きたいとなるけれど、楽しくなかったとなればどんどんバイクから遠ざかってしまうに違いない。それゆえにプランニングが重要なのだ。
カタナはさほど前傾しないポジションだけれど、パフォーマンス的にはベースエンジンをスーパースポーツとするスポーツテイストの強いモデル。それゆえに、彼女にもワインディングで車体を右に左にと切り返して、バイクを操る楽しさを堪能してほしい。そんな、こんなで練りに練ったプランで当日を迎えた。
まずは高速道路を使って一気に走りを楽しめるステージへ。高速走行は148psのパワフルなエンジンのおかげで、安定感のある車体と相まってラクに距離を稼いでくれる。そして、ちょっと驚いたのが、サービスエリアでの注目度の高さ。色違いの同じバイクが2台並んでいるというのもあるんだろうけれど、きっと歴代のカタナを知っているであろうオジサマたちが食い入るように見ていた。
今回の走りにおけるメインディッシュには、なだらかなカーブが続いて気持ちよく走ることができるワインディングを設定した。レバーをにぎり始めたりペダルを踏み込み始めたところから効力が徐々に発生するブレーキは、その効き具合がライダーに伝わりやすいので、乗り手の技量を問わず車速をコントロールしやすい。加えてアクセルワークに対して、スムーズなレスポンスのエンジンがライダーとしての経験を積んでいないボクらでも、気持ちよくリズミカルに走らせることができるのだ。休憩したときに聞いたところ、場所によってはブレーキングせずにアクセルワークだけで走り抜けられるワインディングを、彼女も自分なりに楽しんでいたとのこと。
ツーリングの楽しみの一つといえば出先での食事。食べるからには、やっぱりおいしいモノをいただきたい。最後にタイの出汁で茶漬けを味わえるマダイ専門店のマダイ炙り丼をチョイス。けっこうな量だったのをペロリとたいらげちゃったから彼女も満足してくれたようだ。
とはいえ簡単にヒラリヒラリと左右に車体を切り返すことができて、十分にスポーティな走りをしていると感じさせてくれるのもカタナの魅力だと思う。
ワインディング走行中に曇り予報だった空から雨が降り出し、路面は完全なウエット状態に…。そんなときでもトラクションコントロールが付いているというのは心強い。セレクトできる3つのモードのなかからもっとも早くにシステムが介入してくれるモードを選ぶ。もちろん彼女のモードも確認する。その後、とおり雨的に小雨が降ったり止んだりが続いたけれど、このトラクションコントロールのおかげで、ぬれた路面にナーバスになることなく走り続けられた。実際にボクより慣れていない彼女も、雨の怖さを感じることなく走っていた。
海辺に出ると、雲の隙間から湾を挟んだ対岸の景色が見え隠れする。カラッと晴れたときもいいけれど、これはこれでいい。その後、足湯で暖をとり、ボクらが生活している都会へと戻っていく。
EPISODE.3 ツーリング MOVIE VERSION
主人公達の愛車『SUZUKI KATANA』
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