コロナ禍やEV車など社会の変化についてもトピック調査を実施
今回は昨今の市場環境の変化が販売に与える影響を検討するため、トピック調査も実施している。テーマは大きく6つで、EV二輪車、新型コロナの影響、乗換需要、安全に対する意識、新規ユーザーの獲得、イベントへの関わり、となり、それらに関する結果も公開された。
まず、EV二輪車の認知度は名前程度でも7割以上と高く、イメージでは「環境によい」「音・振動が静か」などのポジティブなものとともに「購入価格が高い」の比率が多い。購入意向は 1割程度と低く、懸念点としては「維持費面の不安」や「耐久性」、また購入のための条件としては「購入価格の低下」や「航続距離が長くなること」を挙げている。
コロナ禍の影響に関しては、バイクの使用用途の変化を見ると、各用途とも大きな変化はないなか、増えている用途としては「1人でのツーリング」、また減っている用途では「バイク仲間とのツーリング」がそれぞれトップと、コロナ禍を反映した結果となっている。新型コロナ感染拡大のバイク購入への影響は新規ユーザーに多く、具体的には「密を避けて移動できる有効な手段」という意識が購入に影響している。新型コロナ感染拡大による考え方の変化は、「密を避けて移動できる有効な手段」とともに、とくに軽二輪・小型二輪において「ライフスタイルの再考」「自粛下でも楽しめる趣味」という価値観の増加が見られ、バイクの再評価をもたらしている。
乗換需要について今後のバイク購入意向率は約5割と、購入意向は高い。次期希望バイクの希望タイプは、オフロードモデルとスクーターモデルが中心で、新車希望は8割と高い。
各種安全運転関連の取り組みの経験率は、「オンラインでの動画視聴」の各種安全運転関連の取り組みの経験率は、「オンラインでの動画視聴」の30%がトップと経験度はあまり高くないが、経験者の各種取り組みへの評価は全般的に高く、とくに安全運転講習会(座学座学)に対する高齢層の評価は高い。
新規ユーザーのバイク新規購入理由は「バイクを趣味として楽しみたい」、「行動範囲が広がる」が全般的に多く、オンロードモデルとオフロードモデル軽二輪ユーザーは「バイクに乗ることにあこがれていた」、「爽快感を得られる」、「バイクはカッコいいと思う」、「解放感を味わえる」などが他よりも多くなっている。
バイクイベント参加率は、全体で約2割程度と低い。参加率が高いのは「オンロードモデルの小型二輪車ユーザー」、「男性40~50代」、「複数台所有買い替え」、「買い増し」、「輸入車」ユーザー。参加イベント上位は「モーターサイクルショー」、「ツーリング仲間との交流」、「新車の試乗会」など 。「新車の試乗会」などとなる。
4名のグルーブを対象とした調査結果も併せて公開
以上の調査は郵送調査法という調査方式を採用しているが、それとは別にFGI(フォーカスグループインタビュー)方式により4名のグループを対象とした調査も実施されている。調査内容はほぼ同じだが、そのFGI方式による調査結果も以下で紹介する。
バイクを購入するきっかけは、テレビアニメや漫画の影響 、進学や就職をはじめとしたライフスタイルの変化、 親をはじめとする家族など周囲の影響の3つに大別される。
EV二輪車の認知度は低く、イメージしにくい。購入に際しての追加的費用は許容されがたいが、環境面では評価されている。
新型コロナの影響は、在宅中に少し乗る機会が増えた、宿泊を伴うツーリングを実施しなくなった、買い物での利用が増えた、といった傾向も指摘される。また、新型コロナ収束の際には、旅行・一人旅を実施したいといった、新型コロナの影響をポジティブにとらえ直す意向も見られる。
大型免許保有者は主にサイズダウンを、原付免許保有者は主にステップアップを検討するとの指摘が見られる。また、購入に際しては親の動向が子に影響を与えた例が示されている。
バイクが持つ魅力として、風を切る快感やエンジンの振動、加速感、自ら操作する感覚のほか、一人で気軽に乗れる身軽さなどが挙げられた。
調査結果は自工会でも公開されている。興味がある人は過去の調査内容も併せてチェックしてみてはいかがだろうか。
[2022年6月10日追記] 2022年6月10日、自工会より調査発表の記載内容に一部誤りがあったとして訂正が入っている。初報では「2020年度の保有台数は37万1,000台となり、2019年度の35万8,000台から微増している。」とあったが、正しくは「2020年度の保有台数は37万5,000台となり、2019年度の36万台から微増している。」となる。本記事も自工会発表に合わせて修正した。