2010年前後から大型のオフロード走行も視野に入れたデュアルパーパスモデルをラインナップに加えるメーカーが増えてきた。そして気がつけば“アドベンチャー”というカテゴリーができ上がっていたのだ。そしてこのカテゴリーができる前から大型デュアルパーパスモデルを牽引し続けてきたのがBMWのGSなのだ。GSが登場したのは今から約40年前の1980年、ファーストモデルの名前はR80G/Sだった。ここできっと誰もが気になっているであろうGSが何を意味しているかについて触れよう。ファーストモデルのG/Sというネーミングは、ゲレンデ/シュトラッセを意味している。ドイツ語でオフロード/ストリート、つまりオフロードと一般道、舗装路と解釈ができ、つまるところ、どんな道でも楽しめるツーリングバイクであることを表しているのだ。R80G/Sからスタートし、その後新しい技術を導入したり、排気量を上げたりと時代に合わせて進化を続けたGSは、2019年に現行のR1250GSへとたどりついている。また、現在は排気量も1254ccのほかに853cc、312ccの3ラインが存在する。
さてGSシリーズのフラッグシップモデルとなるR1250GSだが、実物を前にすると、アドベンチャーモデルを見慣れていないほとんどの人は、その大きさに多少なりの不安を感じることだろう。ただし、実際にまたがってみると足つきが意外といいことに安堵するに違いない。さらに安心感を高めてくれるのがさまざまな電子制御が導入されていることだ。サスペンションは手元のスイッチでミニ、マックス、オートと選べて、その違いも足つきではっきりとわかる。走行モードは、エコ、ロード、レイン、ダイナミック、ダイナミック・プロ、エンデューロ、エンデューロ・プロの7パターンあり、その中から4つを普段使うモードとして、モード切替ボタンで簡単にセレクトできる。また、それぞれのモードではっきりとフィーリングの差がある。そのおかげでオンロードからオフロードまで、さまざまなシチュエーションを快適にかつ不安なく走り切ることができるのだ。また、クルーズコントロール機能もあるので、長距離を一気に走る際の疲労度もかなり軽減されるはずだ。加えて、さまざまな電子制御のセッティングを直感的に操作ができることもこの車両の魅力といえる。もちろんオーナーになれば、マニュアルで細かく調べられるわけだが、実際に走っているときに“あれっ? どうするんだっけ?”となったときも左グリップのスイッチボックスに集中したスイッチ類をモニターで確認しながらいじっていけば、さほど時間をかけずに望んだ結果にたどり着けるのだ。
車格があって、さすがに押し歩く際には重いと感じるけれど、ひとたび走り出してしまえば、ラグジュアリーかつライダーフレンドリーな頼れる相棒になるのだ。
BMW R1250GSのディテール
BMW R1250GSの足つき&乗車ポジション
BMW R1250GSのスペック
- 全長×全幅×全高
- 2,205×965×1,490(㎜)
- 軸間距離
- 1,510㎜
- シート高
- 850~890㎜
- 車両重量
- 256kg
- エンジン型式・排気量
- 空水冷4ストロークDOHC4バルブ水平対向2気筒・1,254㎤
- 最高出力
- 100kW(136ps)/7,750rpm
- 最大トルク
- 143N・m(14.5kgf・m)/6,250rpm
- 燃料タンク容量
- 20ℓ
- 燃費(WMTC)
- 21.0km/ℓ
- タイヤサイズ
- F=120/70-19・R=170/60-17
- 価格
- 226万2,000円~298万円
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