BMW R nine T 155㎝ライダーの足つき＆プチインプレッション【脱・ビギナー！バイク選びをサポート】

2022年12月30日

そろそろ大型バイクへ乗り換えを考えているそこのあなたに読んでほしい。身長155㎝のちょい小さめライダーがビギナーに近い視点で足つきや簡単なプチインプレッションを公開！バイク選びにお悩みのライダーには、ぜひともバイク選びの参考にしてもらえたらうれしい。

ライダースペック

身長：155cm／体重：46kg

筆者は身長155㎝でバイク歴6年。インプレなどで多種多様なバイクに乗るため多少の慣れもあるが、ライディングスキルが格段高いというわけではなくすべてにおいてこの身長あればとりあえず「何とかなるでしょ」主義…(笑)
以前はスーパースポーツを乗り回し、近ごろはモタードに夢中。だがカフェレーサーやネオクラシック、スクランブラー系など気になるバイクが増え着実に大人の階段を上りつつある（？）

【BMW R nine T】足つきチェックとライディングポジション

シート高805㎜と決して低くはないが、シートがかなり細く絞られていることもあり両足のツマ先が地面に着き、車体を支えるのに苦労しない。スタンドの出し入れの動作でも片足重心になる際不安定になることもなく、足の入れ替えも難なく行なえるのはうれしいポイントだ。重量は220㎏ほどあるものの、低重心で車体も起こしやすく数値ほどの重さは感じず、取り回しもスムーズに行なえた。

ライディングポジションはタンクの長さによりハンドルまでが少し遠く感じた。さらに幅の広いハンドルで小柄なライダーの場合はハンドルに手を伸ばすと背中全体が伸び切ってしまうが、操作性に影響を及ぼすほどではないだろう。

乗りやすさに感動！ボクサーエンジンの乗り味に魅了されることは間違いなし

R nine Tシリーズは2014年から続くBMWを象徴する伝統のボクサーエンジンを積んだヘリテイジロードスターモデル。

そもそもボクサーエンジンとは巨大なシリンダーが左右に突き出た特徴的な見た目をしている。重心は低く安定感のある走りが可能で頑丈で耐久性にすぐれた、圧倒的信頼を置けるエンジンともいわれている。

よく「ボクサーエンジンは空ぶかしをすると傾く」と聞くが、これは間違いではなかった。R nine Tにまたがりエンジンを始動した瞬間、右に振られる感覚があり、ツマ先しか着いていない状態でもし気を抜いていたら…と少しばかりビビってしまった。

といっても倒れそうになるというほどではなく、片足でも十分支えていられるほどなのでそこは安心してほしい。

1,169ccの空冷ボクサーツインエンジンを積んだR nine Tは、足つきでも説明したとおり重量は220㎏を超えるビッグバイクなのだが、パッと見は1,200ccもあるようには見えずコンパクトな車体で小柄なライダーでも違和感なく体になじむ。

慎重にようすをうかがいながら発進してみたが、低速域だとやはりボクサー独特の振動は多少気になるものの安定感があるため、ゆっくり走ってもふらつくこともなかった。走り出しからスピードを上げていくとともにギアも2速、3速と上げていくと、ブルブルと震えていたあの振動もなくなりむしろスムーズな乗り味に変わって、そのギャップに驚きを隠せない。何も考えずにスロットルをグッとひねると力強い加速力である意味見た目に反する走りができるバイクなのだと気づいた。

低速でのコーナリングやUターンでは重量感とハンドルの遠さなども相まって“よっこいしょ！”と少し身構えつつも繊細な操作はそこまで必要なく、また中速域でのコーナリングは想像以上に軽快でとくにエンジン特性によって右の旋回はかなりスムーズ。

ゆったり走っても楽しいし、ワインディングで少し攻めた走りをしても楽しい。見た目も美しく所有感も満たしてくれるそんな全部乗せバイクだった。

読者の中にはもしかしたら年齢層高めのちょっとオトナなバイクだと思っている人もいるかもしれないが、チョイ渋でオシャレなバイクに乗ってみたいという若いライダーや初めての大型バイク購入を考えているビギナーにもオススメしたい。

価格はそれなりにお高いかもしれないが、先述したとおりエンジンの耐久性も高いので長く乗ることを見越して所有するのはアリかもしれない。