ビギナーこそ楽しめるオフロードイベント
12月18日(日)に開催したスクータークロスのレポートをお届け!
タンデムスタイル本誌や本サイトでもたびたびご紹介しているスクータークロスは、ステップボード付きのスクーターでオフロードを走るというイベント。バイク初心者にオススメなポイントが多々あり、大きなところではデイキャンプ感覚でワイワイ楽しめてライディングスキルも自然と身につくという点。小排気量のスクーターだからスピードもあまり出ず、仮に転倒しても大きなケガをすることもめったにない。
前日から朝まで雨が降り続いていたこの日、参加者が集まりだしたころ空には虹がかかるほど天気は回復。とはいえ10mを超える風が吹き荒れて寒さは厳しく、そんな中での延期開催にもかかわらず40名ほどが集まってくれた。
朝のブリーフィングからスタートし、コースを一周歩いて回り、経験者がアドバイスをしながら路面状況を確認する。雨が降った後のオフロードは、ご存じの方もいると思うがヌタヌタで滑りやすくオフロード経験者であっても難しいコンディションとなる。歩いていても足がハマっていくほどだった。
コース確認を終えると午前のフリー走行がスタートとなるも出走するライダーは少なく、たき火の周りで暖まる人やバーベキューを楽しむなど各々自由にすごしている。走る以外にこうして参加者たちが分け隔てなく交流できるのが、スクータークロスの醍醐味ともいえる。
午後の模擬耐久レースに備えて出走していくライダーたちの中には、恐竜の着ぐるみに身を包んだ人も現れて参加者たちの注目の的に。またバイク初心者の女性ライダーもいて、オフ経験者たちと一緒に走り安全に練習走行を実施。プロテクターを持っていなくても数に限りはあるが無料レンタルのプロテクターを用意しているので、積極的に装着を推奨している。
一度昼食をはさみ、模擬耐久レースの時間となり参加ライダーたちへルールの説明をスタート。今回設けたルールはライダー交代時にチームそれぞれのタイミングで用意されたお菓子と熱々の缶コーヒーを飲み干すというもの。コースは1㎞以上あるため、アップダウンのあるコースを走り帰ってきたライダーにとっては試練そのもの。しかも麩菓子とビスケットという組み合わせのため口の中の水分は持っていかれ、熱々のコーヒーは寒い中とはいえライダーたちの苦痛にゆがむ表情からその大変さがよくわかる。しかしギャラリーはそんなものもお構いなく、お菓子とコーヒーすべてをチームの1人に任せたり、コーヒーの一気飲みコールが聞こえてくるなど大盛り上がり。
レースに使用する車両は長らく車庫の片隅で眠っていたモノであったり、エアクリーナーに砂が詰まったりしてエンジンがかからなくなったりするトラブルも発生していたが、その場で整備が始まったり耐久レースならではの光景もあちこちで見られる。
また、この日のために車両を制作したという人もいて、今回特に注目が集まっていたのはTOTOのトイレの便器を車両に合体させた“TOTO号”。なんと京都からの参加で、直前までエンジンがかからないなどのハプニングに見舞われながらも、無事完走。シートの部分が便器になっているため、走っている姿はトイレで用を足している人そのものだ。
AとBグループの2回に分けてレースは行なわれ、周回数の総合結果で1位から3位とビリから2番目のブービー賞を決定。今回はもっとも周回したのが27周で3チームあり、特別ルールとして3チームの代表者が1周走行し、ゴールの30mほど手前からは車両を押して走るという形式となり、最後まで順位がわからないドキドキ感を味わったことだろう。
表彰式では毎回恒例のシャンパンファイトを実施し、司会を務めた本誌の元編集長・岩崎は表彰チームによりシャンパンファイトの洗礼を受け参加者らも爆笑の渦に包まれ、終始笑顔の絶えないイベントとして無事終了した。
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