999ccのV型4気筒エンジンを搭載するRSV4の2016年モデルがEICMA2015で披露された。エクステリア面では、フロントカウルの形状変更により、ウインドプロテクション性能が向上。また、ミラーもより空力性能を追求した形状に変更し、ウインカーはLEDを新採用。それに合わせて、ヘッドライトも新デザインにリニューアルしている。
可変式エアインテークの形状変更や、各バンクに2つの計4つ(従来エンジンは2つ)となったスロットルボディ、チタンバルブ、新形状のエキゾーストシステム、新形状のカムシャフトなど、多岐にわたる変更を受けたエンジンは従来モデルから16PSものパワーアップ(本国仕様)をはたし、現行量産モデル唯一のV4エンジンは201PSを達成。車体も軽量化され、従来モデル比で2.5kgの軽量化をはたしている。
また、スイングアームは4mm延長されるとともに、フォークオフセット量は従来モデルの30mmから32mmに変更することでトレール量が減少。これにより、パワーアップしたエンジンに耐え得る安定性とハンドリングの軽快さが追求されている。
RSV4 RRとRSV4 RFの違い
なお、RSV4には2つのモデルが設定されている。
RSV4 RRは、ザックス製の前後ショック&ステアリングダンパーを採用するモデル。Advnced APRCと呼ばれる電子制御システム群は従来モデルよりも精度を向上。3段階のパワーモードセレクト機能に、トラクションコントロールシステム、ウィリーコントロール、ローンチコントロール、クイックシフター、3段階に調整可能なレースABSなどの機能は従来モデルと同様のパッケージングとなる。また、オーリンズ製の前後ショック&ステアリングダンパー、アルミ鍛造ホイールを標準装備するレースパックも選択可能だ。
RSV4 RFはRSV4 RRにレースパックを標準装備したうえで、追加装備を採用したモデル。サーキット走行を重視し、バネレートの上げられた専用セッティングのオーリンズ製ショックを標準装備した特別モデル。RSV4 RRに採用されている電子制御システムはそのままに、新しくV4-MPというマルチメディアプラットフォームも採用。これはバイクとスマホをブルートゥース接続することで、リアルタイムで電子制御システムのセッティングを変更したり、アクセル開度やバンク角を記録するためのデータロガーとしても活用できるシステムとなる。カラーリングは、レーシーなスペシャルカラー“Super Pole Graphic”仕上げだ。なお、RSV4 RRは世界限定500台のみの販売となる。
RSV4 RFは2016年3月25日より、全国のアプリリア正規販売店(RSV4取扱店に限る)にて、受注が開始された。販売価格は263万8,000円となっており、入荷時期は2016年7月頃の予定だ。
従来モデルと見比べてみると
SPECIFICATIONS
車名(通称名) | RSV4 RF | |
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車両重量 | 180kg(乾燥重量) | |
エンジン種類 | 水冷4ストローク DOHC 4バルブ V型4気筒 | |
総排気量 | 999.6cm3 | |
内径×行程/圧縮比 | 78×52.3(mm)/13.6 | |
最高出力 | 148kW(201PS)/13,000rpm | |
最大トルク | 115N・m(11.7kgf・m)/10,500rpm | |
使用燃料 | 無鉛プレミアムガソリン | |
燃料タンク容量 | 18.5ℓ | |
潤滑方式 | ウェットサンプ | |
燃料供給方式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | セルフ式 | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
トランスミッション形式 | 常時噛合式6段 | |
ギヤ・レシオ | 1速 | 2.600 |
2速 | 2.063 | |
3速 | 1.700 | |
4速 | 1.476 | |
5速 | 1.348 | |
6速 | 1.259 | |
一次減速比/二次減速比 | 1,659/2.562 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70 ZR 17 |
後 | 200/55 ZR 17 | |
ブレーキ形式 | 前 | Φ320mmダブルディスク&対向4ポット ラジアルマウントキャリパー |
後 | Φ220mmシングルディスク&片押し2ピストンキャリパー | |
懸架方式 | 前 | インナーチューブ径Φ43mm オーリンズ製倒立フロントフォーク |
後 | アルミ製スイングアーム,オーリンズ製リヤショック | |
フレーム形式 | アルミツインスパー | |
乗車定員(人) | 1 | |
メーカー希望小売価格 | 未定 |
※スペックはRSV4 RF 本国仕様
その他のニューモデルも登場!!
TUONO V4 1100
RSV4ベースのストリートファイターモデル・トゥオーノV4がトゥオーノV4 1100に進化を遂げた。1100の名称どおり、RSV4の999cc V型4気筒エンジンをベースに排気量を1,077ccに拡大。最高出力は175PS/11,000rpm、121N・m/9,000rpmを発揮する。
シートの快適性の向上や、シート高のダウン(従来モデル比で15mmダウンの820mmに)、新形状のハンドルバーなどによって、ライディングポジションはより快適な仕様となっている。
トゥオーノV4 1100にはトゥオーノV4 1100RRと、トゥオーノV4 1100ファクトリーの2つのモデルがラインナップされ、RSV4 RRに採用されている電子制御システムは両モデルともに受け継がれる。そのうえで、トゥオーノV4 1100RRはザックス製の前後ショック&ステアリングダンパーを採用。一方のトゥオーノV4 1100ファクトリーは、RSV4 RFにも採用されている専用セッティングのオーリンズ製前後ショック&ステアリングダンパーを採用する。
CAPONOLD1200 RALLY
すでに販売が開始されているカポノルド1200には、オフロード性能を強化した新モデル・カポノルド1200ラリーが登場。フロント19インチ・リヤ17インチのスポークホイールを新採用し、新形状のエンジンガードやパニアケース、LEDフォグランプ、調整式の大型スクリーン、サイド&エンジンガードなどを標準装備している。カラーリングは、アドベンチャーテイストを感じさせる3色がラインナップする。
ピアッジオコール
03-3453-3903
http://www.piaggio.co.jp/aprilia