ヤマハ唯一のV型4気筒エンジンを搭載したVMAXの2016年モデルが2015年12月10日より販売を開始する。2016年モデルでは新色となるダークパープリッシュブルーメタリックLを採用している。その他、販売価格や仕様諸元などに変更はない。
ちなみに、VMAXが初めて登場したのは今から30年以上も前の1985年のこと。しかしながら、その間にフルモデルチェンジが行なわれたのはたったの一度だけ。現行モデルも2009年にフルモデルチェンジ後、カラーリング変更が2011年・2013年・2014年に行なわれているのみで、その他の変更はなし。
しかしながら、そのデザインは古さを感じさせず、その走りも唯一無二のまま。初代モデルから2代目へのフルモデルチェンジが23年の歳月を要したことを考えてみても、3代目VMAXが登場するのはまだまだ先のことになりそうだ。
VMAXの大まかな歴史
初代VMAX
1985年に、1,198ccの水冷4ストローク DOHC 4バルブ V型4気筒エンジンを搭載して登場したVMAX。アメリカ市場で根強い人気を誇るV8大排気量エンジンを搭載した四輪車がもたらす、トルク感あふれる強烈な加速感を二輪車で再現すべく生み出されたモデルだ。
エンジンパワーを楽しむために、低中速域での豊かなトルクと高回転域での最高出力を両立するVブーストシステムを搭載。これは、低速時には1気筒あたり一つのキャブレターから燃料が送り込まれるところを、エンジンが高回転まで回っているときには1気筒あたり2つのキャブレターから燃料が送り込まれるというシステム。V型4気筒のうち、片側2気筒ずつの向かい合った気筒間にバイパスが設けられていて、エンジン回転数が6,000回転に達するとそのバイパスに設けられたバタフライバルブが開き始める。8,000回転に達するとバタフライバルブが完全に開き、1気筒に2気筒分の燃料が送り込まれ、高回転域でのパワーアップに貢献するという仕組みだ。
フロントタイヤには110/90-18サイズ、リヤには当時の市販量販車としては世界最大となる150/90-15サイズのタイヤを採用。1,198cc V型4気筒エンジンの大トルクを受け止める足まわりとしつつも、ハンドル位置はあくまでもアップライトなポジションに設定。速く走るのではなく、加速感を楽しむことが意識されているのだ。
通常であればガソリンタンクが配置される場所にはエアクリーナーや、ラジエターのリザーバータンクなどを設置。ガソリンタンクをシート下にレイアウトすることで、ロー&ロングなドッグレーサースタイルを追求している。
22年間にわたり、基本的なスタイリングをキープし続ける
上の2台のVMAXは左が1994年モデルで、右が2007年モデルだ。上の1987年モデルと見比べてみればわかるが、どのモデルにも大きな違いは見当たらない。
フロントフォークの大径化や、ブレーキまわりの強化などの仕様変更や、細かなパーツのカラーリングが変わっていたりという違いはあるが、1985年から2007年まで、初代VMAXは実に22年間にわたり販売され続けたのだ。
2代目 VMAX(2009年モデル)
2008年6月に発表された2代目VMAX。実に23年ぶりのフルモデルチェンジとなった新型VMAXはエンジン&シャシーともに新設計のブランニューモデルだった。
エンジンは排気量を481cc拡大した1,679ccとしつつも、バンク角の狭角化(70度から65度に)やカムシャフト駆動方式の変更などによって、前後長は1,198ccエンジンよりも7mm短くなっている。主役であるエンジンをあえて小型化することで、理想的なハンドリングを追求しているのだ。
また、燃料供給システムのインジェクション化にともないVブーストシステムは廃止されたが、それに代わり電子制御スロットルや可変式エアインテークを採用することで初代VMAXを超える加速感を実現している。
その他、新設計のアルミ製ダイヤモンドフレームには、インナーチューブ径Φ52mmの正立フロントフォーク&リンク式モノクロスサスペンションを採用。フロントタイヤは120/70-18、リヤタイヤは200/50-18インチとし、フロントブレーキにはラジアルマウントタイプの対向4ポットキャリパーを装着する。
SPECIFICATIONS
車名(通称名) | VMAX | |
---|---|---|
型式 | EBL-RP22J | |
全長×全幅×全高 | 2,395×820×1,190(mm) | |
軸間距離 | 1,700mm | |
最低地上高 | 140mm | |
シート高 | 775mm | |
車両重量 | 311kg | |
燃料消費率 | 定地燃費値 16.0km/ℓ | |
エンジン種類 | 水冷4ストローク DOHC 4バルブ V型4気筒 | |
総排気量 | 1,679cm3 | |
内径×行程/圧縮比 | 90.0×66.0(mm)/11.3 | |
最高出力 | 111kW(151PS)/7,500rpm | |
最大トルク | 148N・m(15.1kgf・m)/6,000rpm | |
使用燃料 | 無鉛プレミアムガソリン | |
燃料タンク容量 | 15ℓ | |
エンジンオイル容量 | 5.9 | |
潤滑方式 | ウェットサンプ | |
燃料供給方式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | TCI(トランジスタ式) | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
トランスミッション形式 | 常時噛合式5段 | |
ギヤ・レシオ | 1速 | 2.375 |
2速 | 1.809 | |
3速 | 1.400 | |
4速 | 1.115 | |
5速 | 0.935 | |
一次減速比/二次減速比 | 1.508/3.082 | |
キャスター/トレール | 31°00′/148mm | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70R18M/C 59V(チューブレス) |
後 | 200/50R18M/C 76V (チューブレス) | |
ブレーキ形式 | 前 | Φ320mmダブルディスク&ラジアルマウント 対向6ポットキャリパー |
後 | Φ298mmシングルディスク&キャリパー | |
懸架方式 | 前 | インナーチューブ径Φ52mm 正立フロントフォーク |
後 | スイングアーム,リヤショック | |
フレーム形式 | ダイヤモンド | |
乗車定員(人) | 2 | |
メーカー希望小売価格 | 237万6,000円 |
ヤマハ発動機お客さま相談室
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