2000年にフルモデルチェンジを受けたのち、2001年・2002年・2003年とカラー変更が行なわれたのみで2000年モデルが継続して販売し続けられていたGSX-R750。その間に、2001年に登場したGSX-R1000(2000年 GSX-R750がベース)はGSX-R750に先行するカタチで、2003年にフルモデルチェンジを受ける。それは2004年にスーパーバイク世界選手権のレギュレーションが変更され、4気筒モデルは750ccから1,000ccまで参戦可能排気量が拡大されたことなどによる影響が大きい。750ccから1,000cc、もしくは600ccへと、レースシーンの定番排気量が変化していく中で、GSX-R750はしだいにGSX-Rシリーズの中心の座を自らが生んだGSX-R1000とGSX-R600へとゆずっていくこととなる。
2004年にはGSX-R600と同時に、GSX-R750もチタンバルブの採用にはじまるエンジン内部の熟成やフロントブレーキキャリパーのラジアルマウント化などの変更を受けるが、2005年はカラー変更のみ。GSX-R750はこのままフェードアウトしていくのが自然の流れのようにも思われた。
ところが、スズキは2006年に新型GSX-R750を発表。既存のGSX-R750と決定的に違っている点は車体そのものではなく、その開発方法。これまでは、GSX-R750ありきでGSX-R600はそのスケールダウンモデルという位置付けであったのだが、その関係が2006年 GSX-R750で逆転したのだ。
ベースとなった新型GSX-R600のエンジンは、2分割式のクランクケースや、クランク・カウンター・ドライブシャフトの三軸配置のレイアウト変更により大幅に小型化。
2006年 GSX-R750のエンジンは、その新開発されたエンジンをベースに排気量を拡大。ボア×ストローク=67.0×42.5(mm)の599ccという設定から、70×48.7(mm)の749ccへとボア・ストロークともにサイズアップされている。また、エンジンの振動を抑えるべくバランサーシャフトを追加。GSX-R750はレースシーンから離れ、ストリートに特化したスーパースポーツという新たな立場を獲得したのだ。
アルミダイキャスト材を使用した新設計のフレームは、従来モデルよりもスリムな形状に。また、コンパクトになったエンジンによって、ホイールベースはそのままにスイングアームを35mm延長している。その他、カウルデザインが一新されるとともに、サイレンサーの形状もショートタイプへと変更を受けた。
SPECIFICATIONS
車名(通称名) | GSX-R750(2006年) | |
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全長×全幅×全高 | 2,040×715×1,125(mm) | |
軸間距離 | 1,400mm | |
最低地上高 | 130mm | |
シート高 | 810mm | |
車両重量 | 163kg(乾燥重量) | |
エンジン種類 | 水冷4ストローク DOHC 4バルブ 並列4気筒 | |
総排気量 | 749cm3 | |
内径×行程 | 70.0×48.7(mm) | |
最高出力 | 110kW(150PS)/13,200rpm | |
最大トルク | 86.2N・m(8.8kgf・m)/11,200rpm | |
使用燃料 | 無鉛プレミアムガソリン | |
燃料タンク容量 | 16ℓ | |
潤滑方式 | ウェットサンプ | |
燃料供給方式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | セルフ式 | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
トランスミッション形式 | 常時噛合式6段 | |
キャスター/トレール | 23゚45’/97mm | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR17M/C (58W) |
後 | 180/55ZR17M/C (73W) | |
ブレーキ形式 | 前 | ダブルディスク&ラジアルマウント 対向4ポットキャリパー |
後 | シングルディスク&片押し1ピストンキャリパー | |
懸架方式 | 前 | 倒立フロントフォーク |
後 | スイングアーム,シングルリヤショック | |
フレーム形式 | アルミツインスパーフレーム | |
乗車定員(人) | 2 |