1986年のGSX-R75oR同様に、500台限定で販売された1989年 GSX-R750R。通称GSX-R750RKと呼ばれるモデルだ。なぜRKなのかというと、1989年モデルのGSX-R750はK型であり、そのGSX-R750(K)のRモデルなので、RKになるわけだ。165万円という、スタンダードモデルの2倍以上の販売価格が付けられているのだが、その値段に恥じない豪華な装備がおごられている。
Φ40mmの大径キャブレター、耐久レーサー由来の材質を使用したクランクシャフト、ワークスマシンと同様の製法で作られるコンロッド、1988年のル・マン24時間耐久レース参戦マシンと同じギヤ比を採用したクロスミッション、サブフレーム付きスイングアーム、アルミタンクを採用し、専用のシングルシートをはじめとしたカウル類はFRP製とするなど、まさにレーシングマシンそのものといえる仕上がりになっているのだ。
フレームは、ステアリングヘッド部分にGSX-R1100のモノを流用しつつ、メインパイプ径のサイズアップ、スイングアームピボットまわりの強化でワークスマシンとほぼ同等の強度を確保。エンジンのカバー類は専用形状のパーツをおごることで、スタンダードモデルよりもバンク角を増大(右側で1°05’、左側で2°25’)させている。
その他にも、サブオイルクーラーを追加装着したデュアルオイルクーラーシステムや、インナーロッド式のフロントフォーク、スリット付きのフローティングブレーキディスク、アルミ削り出しのブレーキ・クラッチレバー&ハンドルバーウエイト、アルミ鍛造アッパーブラケットなど、ほぼすべてのパートで専用パーツがおごられている。
また、1989年 GSX-R750Rに採用された専用エンジンはスタンダードモデルよりもストロークを4mm延長したロングストローク設定。その後、1990年 GSX-R750では、この1989年 GSX-R750Rで採用されたボア×ストローク設定に変更されている。
SPECIFICATIONS
車名(通称名) | GSX-R750R | |
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型式 | GR79C | |
全長×全幅×全高 | 2,070×730×1,110(mm) | |
軸間距離 | 1,405mm | |
最低地上高 | 120mm | |
シート高 | 785mm | |
車両重量 | 187kg (乾燥重量) | |
エンジン種類 | 油冷4ストローク DOHC 4バルブ 並列4気筒 | |
総排気量 | 749cm3 | |
内径×行程/圧縮比 | 70.0×48.7(mm)/10.9 | |
最高出力 | 56.6kW(77PS)/9,500rpm | |
最大トルク | 66.6N・m(6.8kgf・m)/7,000rpm | |
燃料タンク容量 | 19ℓ | |
エンジンオイル容量 | 5.2ℓ | |
潤滑方式 | ウェットサンプ | |
燃料供給方式 | キャブレター | |
始動方式 | セルフ式 | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
トランスミッション形式 | 常時噛合式6段 | |
ギヤ・レシオ | 1速 | 2.384 |
2速 | 1.882 | |
3速 | 1.631 | |
4速 | 1.450 | |
5速 | 1.291 | |
6速 | 1.200 | |
一次減速比/二次減速比 | 1.744/2.600 | |
キャスター/トレール | 24°50’/102mm | |
タイヤサイズ | 前 | 130/60-17 |
後 | 170/60-17 | |
ブレーキ形式 | 前 | φ310mmダブルディスク&ニッシン製対向4ポットキャリパー |
後 | φ240mmシングルディスク&片押し1ピストンキャリパー | |
懸架方式 | 前 | インナーチューブ径φ43mm 正立フロントフォーク |
後 | スイングアーム,シングルリヤショック | |
フレーム形式 | アルミダブルクレードルフレーム | |
乗車定員(人) | 1 | |
メーカー希望小売価格 | 165万円 |
※メーカー希望小売価格は当時価格