2004年に登場したGS500Fは、空冷4ストローク 並列2気筒エンジンを採用したフルカウルスポーツモデル。スズキが海外で生産し、海外向けに販売していたモデルなので、こんなバイクがあったのかと思う人も少なくないのではないだろうか。 なぜ、このバイクを紹介したのかといえば、ユニークな車両カタログを見せたかったから。街中で停止中に、レースクイーンをはべらせつつ、ライダーはその横に止まっているカプチーノの ライダーと視線を交わす…。何なのこの画像!? と思った人も多いかと思うけれど、その画像が車両カタログの表紙に使われているのだ。
国内では知名度の低いGS500Fであるが、海外では2004年から2013年まで販売されていた息の長いモデル。フルカウルモデルのFの登場前には、ネイキッドモデル・GS500E&GS500が1988年よりリリースされていた。それらも含めれば、四半世紀にわたって販売が続けられていた隠れた人気モデルといえるだろう。 GS500Fは、スポーティなフルカウルに身を包みつつも、アップタイプのバーハンドルにグラブバーを装備した一体型シート、シングルディスクブレーキ&2ピストンキャリパーと正立フロントフォークを組み合わせた足まわりなど、シンプルな車体構成を持つ。燃料タンクは20ℓを確保するなど、決してハイスペックというわけではないけれど、乗り手の使い勝手を考慮したパッケージングが長きにわたり販売され続けた理由なのではないだろうか。
また、GS500FのベースモデルであるGS500Eの排気量を399ccに縮小したGS400Eも1989年に国内で販売が開始されたが、海外市場ほどに人気は出ず、1993年にフェードアウトしている。なので、そのフルカウルモデル版のGS500F(国内で販売されていれば、GS400Fになったハズ)の知名度が低くなってしまったというわけだ。 ちなみに、GS400Eといっても下の画像の1970年台に生産されていたGS400・GS400Eとは、車名は同じだが違うモデルなので注意してほしい。
COLOR VARIATION
GSR250Fに通ずるモノがあるような…
並列2気筒エンジンを搭載したバーハンドル採用のフルカウルモデル、決してハイスペックではないけれどユーザーの使い勝手を考慮したパッケージングといえば、GSR250Fを思い出さずにはいられない。そこで、GSR250FとGS500Fを並べてみた。テールまわりや、ホイールデザイン、シート形状などがなかなか似ているような気がするのだけれど…、どうでしょう?
SPECIFICATIONS
車名(通称名) | GS500F | |
---|---|---|
全長×全幅×全高 | 2,080×820×1,250(mm) | |
軸間距離 | 1,405mm | |
最低地上高 | 120mm | |
シート高 | 790mm | |
車両重量 | 180kg(乾燥重量) | |
エンジン種類 | 空冷4ストローク DOHC 並列2気筒 | |
総排気量 | 487cm3 | |
内径×行程/圧縮比 | 74×56.6(mm)/9.0 | |
燃料タンク容量 | 20ℓ | |
エンジンオイル容量 | 3.2ℓ | |
潤滑方式 | ウェットサンプ | |
燃料供給方式 | キャブレター | |
始動方式 | セルフ式 | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
トランスミッション形式 | 常時噛合式6段 | |
一次減速比/二次減速比 | 2.714/2.437 | |
キャスター/トレール | 25°/97mm | |
タイヤサイズ | 前 | 110/70-17 54H |
後 | 130/70-17 62H | |
ブレーキ形式 | 前 | シングルディスク&2ピストンキャリパー |
後 | シングルディスク&片押し1ピストンキャリパー | |
懸架方式 | 前 | 正立フロントフォーク |
後 | スイングアーム,シングルリヤショック | |
フレーム形式 | ダブルクレードルフレーム | |
乗車定員(人) | 2 |
※スペックは2004年 GS500F