この秋、ミリ波レーダーを搭載して、前走するクルマを追従するACC（アダプティブクルーズコントロール）を採用したトレーサー9GTプラスが発売となった。試乗した感じだと精度はかなり高くて、高速道路を使った長距離移動がグッとラクになりそうだ。さらにギヤによっては30km/ｈまでオートクルーズが機能するので、主要国道のバイパスなど一定の速度で流れており信号が少なく巡航できる道でも活用できるはずだ。
加えてレーダー連携UBS（ユニファイドブレーキシステム）により、前走車との速度差から追突の恐れがある場面において、ライダーがかけるブレーキ動作と量を検知し、前走車に追突しないようブレーキ量を追加することで、より強い制動を発生させる機能を持っている。これは他社のミリ波レーダー付モデルにもないアシスト機構だ。
車体に関しては、トレーサー9GTに＋が付いているだけだから、ミリ波レーダーが付いて、ACCやレーダー連携UBSが採用されただけだと思うかもしれないけれど、じつは7インチ高輝度TFTカラーディスプレイを採用していたり、ステムナットがメッキ仕上げから削り出しになっていたり、ハンドルバークランプのボルトもクランプと同じ黒く塗装されたモノに変更され、フロントフォークトップのコードの入り口やプリロードアジャスターのポルトが金色に変わっていたりと全体的に質感も上がっているのだ。
サスペンションも電子制御で、いわゆる全部乗せ状態なのだが、価格は182万2,600円と相対的にみるとコストパフォーマンスがかなり高い点も魅力といえる。
このように快適な長距離ツアラーとしてのパフォーマンス十二分なトレーサー9GTプラスだけれど、いくら最新の電子制御が介入するといってもパンクやガス欠など何らかのトラブルで走り続けられなくなる可能性は、ほかのバイクと変わらない。そんな、もしもの時に頼りになるのが、二輪車のロードサービスだろう。ヤマハの専門店YSPで新車購入すると、走行距離無制限で24時間365日二輪車専門のレスキュースタッフが対応してくれる“YSP 無制限ロードサービス”が1年間無料付帯するからその点、安心だ。
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