4月の中旬にヤマハのスポーツ電動アシスト自転車“YPJ”シリーズに触れられるYPJ caféが、東京は渋谷と原宿駅のほぼ中間にあたる渋谷キャスト ガーデンにて開催された。当日は、4月中旬とは思えない陽気で人出も多く、老若男女さまざまな人が会場にも足を踏み入れていた。クイズに正解すると挑戦できる抽選会や同社のWEBサイトに登録してアンケートに答えるともらえるコーヒーにつられて足を止める人がほとんどだったけれど、中にはスポーティな電動アシスト自転車を目の当たりにして興味をいだき、スタッフにいろいろと質問している人もいた。
来場したほとんどの人が、スポーツタイプの電動アシスト自転車を知らなかったようで、そういった人が集まる場所であえて展示するという今回の試みは、なかなかおもしろいものだったといえる。はたしてどれくらいの人が興味を持ってくれたのかはわからないけれど、“こういった乗り物があるんだ”と心の片隅に残った人は多々いたはずだ。この後の開催はまだ発表されていないけれど、予定はされているはずなので気になった人は、定期的にHPをチェックしよう。
中には試乗した人もいた。話を聞いた普段ロードバイクに乗っているという東京サイクルデザイン専門学校の生徒たちは、試乗中も「これ、やばい!」「チョー楽しい」を連発していた。自分の力でこいだ分より1.5倍くらいの力強さで進むのが新鮮で、感激していたのだ。
アシストを意識させない巧妙さが◎
今回、イベントの取材に合わせてYPJで50km強走ってみたので、そのインプレションもお伝えしよう。試乗したのはもっとも街乗りを意識したCROSSCORE RCだ。S・M・Lの3サイズあって、今回乗ったのはM。シートの高さが変えられ、身長171、154cmどちらにも対応した。車重は23.8kgで自転車としたら重い部類に入るけれど、走り出せば重さはまったく感じない。価格は31万7,900円だ。
平地ならば、4段階の下から2番目のエコモードでも十分なアシストを感じる。そして、上り坂から下り坂までさまざまなシチュエーションを走ってすごいなと思ったのは、どんな状況からペダルを踏んでも違和感がないこと。積極的に“アシストしてます!”とアピールしてくるのではなく、さりげなくサポートしてくれる感じ。これまでの経験上、変にアシスト感があるとそれが気になってしまうのだけれど、それがないから気持ちよくペダルをこげるし周りを見る余裕も生まれてくる。走行状況に応じて、ライダーの要求に合わせてアシスト力を自動で変えるオートマチックアシストにしても、その切り替わりがわからないほどスムーズに切り替わる。自分でこいでいる達成感がありつつ、必死になる場面がないのだ。だから20kmを一気に走っても、あれ? もう20km走っちゃったという不思議な感覚になったのだ。これなら街中だけでなく、100kmを超えるツーリングも存分に楽しめるなどいろいろな使い方ができそうだ。
36V-13.1Ahのバッテリーは車体から外さずに充電できるし、簡単に外せて屋内に持ち込んで充電もできる。メーカーのスペック表によると、もっとも消費電力の少ないプラスエコモードだと200km走るとのこと。
ドライブユニットはヤマハ発動機が開発したPWシリーズのSTで定格出力は240W。24km/hまでアシストしてくれる。
アシストはハイ、スタンダード、エコ、プラスエコ、オートマチックアシストの5つ。
オートマチックアシストは、走行状況に応じて、ライダーの要求にシンクロするアシストをハイ、スタンダード、エコの3モードから自動選択し、最適なアシストするモード。
コンパクトなLEDランプを標準装備。車体のバッテリーが電源となりハンドル左側の多機能メーターでオン・オフできる。