走行風を受けながら走るのはバイクの醍醐味ですが、ライダーにとって暑い夏はバイクにとっても過酷な季節です。そんなシーズンだからこそ愛車の気を配りたいポイントをご紹介します。
真夏のバイクは特にエンジンに気を配りたい
じっとしていても暑い日本の夏……。そんな時期はいっそのこと、バイクで走行風を浴びながら涼しい避暑地にでもツーリングに出掛けたいですよね。
しかしながら暑すぎる場合は無理は禁物。もし走る場合はしっかりとした夏用のライディングギアを着て、適度な休憩と水分&塩分補給をしつつ、ライダーの体調管理にも気をつけながら楽しみたいものです。
ライダーにとってうだるように暑い夏ですが、実はバイクにとっても“暑さ”や“熱”は特に注意したいシーズンなんです。
ガソリンと空気を混ぜた混合気を圧縮して、燃焼させることで動力を得ている内燃機エンジン。当然ながら走行中はかなりの高温状態になります。
バイクのエンジンには主に2種類の冷却方式があり、LLC(ロングライフクーラント/エンジン冷却用の水)をエンジン内に循環させるためのラジエーターを備えた「水冷エンジン」と、バイクを走らせることによって走行風で冷却する「空冷エンジン」があり、どちらもエンジンの温度を上がり過ぎないようにするための冷却機構が備わっています。
そして、そのエンジン内の温度管理に欠かせないもうひとつの重要な要素が「エンジンオイル」なんです。
エンジンオイルにはエンジン内部を冷却してくれる役割もある
エンジンオイルとは、エンジンやクランクケースの中に入っているエンジン専用のオイルで、定期的な交換が必要になる消耗品です。
エンジンオイルはエンジン内部を循環し、歯車などの動きをよくしたり、金属同士が触れ合ったりして発生する汚れを取り除いたりしているとても重要な役割を果たしています。
「バイクの血液」とも呼ばれるほど重要なエンジンオイルには、そのほかにも様々な効果があり、ギアなどの動きをよくする「潤滑効果」や、発生した汚れを綺麗にする「洗浄効果」、さらにはエンジン内部を「密閉」させたり「防錆効果」にも役立つなど、とても大切な役割を担っています。
そして、エンジンオイルのもうひとつの重要な役割が、エンジン内部の「冷却効果」です。
エンジンオイルが潤滑する事で、エンジン内部で発生する熱を抑えつつ、エンジン各部の温度が上がり過ぎないようにしてくれているんです。
ちなみに、車両によってはオイルクーラーと呼ばれる、エンジンオイルそのものを冷却して再びエンジン内に送り込む機構が備わっているバイクもあります。
しかし、そんなエンジンオイルは長時間/長期間の使用で性能が徐々に汚れ、性能が劣化していきます。すると必然的にエンジンを冷ますための冷却効果も徐々にダウンしてしまうんです。
ですから、特に外気温が上がる真夏のシーズンは、通常の時期に比べてエンジンの熱も上がりやすくなるので、エンジンオイルの管理がとても重要!
愛車のエンジンオイルの点検窓やオイルレベルゲージなどで確認して、汚れていたり、長期間交換していない場合は、新しいエンジンオイルに交換しましょう。