1903年に創業し、今年で121年目を迎えたハーレーダビッドソン。世界最古のメーカーでこそないが、創業してから倒産することなく100年以上も続いている例は珍しく、アメリカンモーターサイクルの王道といって間違いないだろう。現在のラインナップは最新テクノロジー満載の水冷Vツインエンジンを搭載したモデルや、350cc~500ccのミドルクラスのモデルもあるのだが、その主力はなんといっても1936年から採用し続ける“OHV方式の狭角45度Vツイン”というレイアウトの空冷エンジンモデルだ。
ブレイクアウトは、そんな伝統ある空冷Vツインで、CVOなどの限定モデルを除いたラインナップの中で最大排気量となる1,923cc(117ci)のエンジンを搭載。リヤタイヤに240mmという極太サイズ、そしてフロントホイールには21インチという大径サイズを採用し、フロントフォークを大胆に寝かせたドラッグレーサーのようなロー&ロングなフォルムで人気となっているモデル。
ドラッグバーと呼ばれる一文字のハンドルと足を前方に投げ出すフォワードステップが作り出すカスタムマシンさながらのライディングポジションは、少しばかりハンドルが遠く、身長170cm前後の平均的体格のライダーにはややキツい。とはいえ、現行型のソフテイルフレーム(2018年モデルより採用)は非常に操縦性にすぐれているため、見た目以上に乗りやすい印象。ちなみに2017年以前のモデルは、立ちの強いハンドリングと必要以上に太いリヤタイヤのおかげで正直かなり曲がりにくいモデルだったが、現行型はディメンションの見直しや重量マスの集中、さらにバンク角の増大がなされ、普通に曲がれるように進化している。さらに117エンジンならではのトルク感は強烈。スロットルをガバッとひねれば、首が後ろに置いていかれるほどの勢いでダッシュするので、街中ではほんの少しスロットルをひねるだけで十分だ。ハーレーならではのトルクフルな大排気量Vツインをドラッグレーサースタイルに落とし込んだブレイクアウトは、個性的なハーレーに乗りたいという願望を存分に満たしてくれるだろう。
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