ワイズギアから新たにアルミボディのパフォーマンスダンパーが登場!

パフォーマンスダンパーのルーツは、ヤマハ発動機のエンジン開発の歴史に結びつく。『ヤマハ=二輪』というイメージを持つライダーも多いだろうが、長年にわたって四輪用高性能エンジンのOEM開発と生産を行なってきた。単にエンジンにだけ目を向けるのではなく、高性能エンジンを受け止めるための車体=シャシーにも着目。
そこで生まれたのが、四輪の左右のショックアブソーバを連結し、操縦安定性と乗り心地を高めた相互連携アブソーバシステム『REAS』だった。エンジンの高性能化にともって高速域でのボディの振動=揺らぎを抑えるべく、車体剛性を高める方向で開発が進められ進化。しかし、高速走行テストを行っていたテストドライバーの閃きが、開発の方向性を大きく変えることになる。『ボディの振動をなくして気持ちのいい走りを実現するには、車体剛性ではなく“車体粘性”に注目すべきではないか』。これを起点にパフォーマンスダンパーの開発が始まったのである。はじめはシンプルなバーからで、ゴムのサンドイッチ構造を経て、専用の油圧ダンパーと組み合わせられ、今日の形態に進化してきたのだ。決して目立つパーツではないが、その効果の高さから一部の四輪に純正採用されたり、社外品として導入するユーザーが増えていった。
この技術はバイクにも効果がある。バイクは走行中に路面からの衝撃や荷重変化の影響を受ける。多くはタイヤやサスペンションで受け止めるが、一部はフレームを振動・変形させる力として作用する。古いバイクをベースにカスタムをすると、フレーム剛性が低いため、ガセットやパイプを溶接することで補強するが、補強をしてもフレームの弾性は完全に排除できない。進化した現行モデルのマシンでも同じことが言える。そこで四輪から生まれたパフォーマンスダンパーを組み合わせることで、フレームのたわみや振動を抑制。ワイズギアが車種ごとのステーとそれに適したパフォーマンスダンパーを組み合わせてリリースしている。

 

 

パフォーマンスダンパーはステーを介して装着するため、フレームの溶接補強のような大掛かりな作業は必要ない。サスペンションのショックアブソーバーのように大きくストロークはしないが、確実に振動が減少。結果として高速走行時やコーナリング時の安定感が増すという効果が得られるため、人気の高いパーツに成長している。筆者は2019年式セロー250を所有しているが、購入当初は高速道路での高速走行時に不安を感じていた。90㎞/hを超えるあたりからフワフワとした感覚を受け、アクセルを開けるのに気合いを入れる必要があったのだ。ところがパフォーマンスダンパーを装着すると、明らかに高速走行時の不安感が大幅に減少。結果、リラックスして高速道路を走れるようになった。

 

 

さて、ここから本題だ。このパフォーマンスダンパー、ボディの素材は長らくスチールが使われてきたが、新たにアルミボディが登場したのである。最初にこの情報をキャッチしたときは『軽量化』『高級感の演出』のためだと思ったが、ワイズギアスタッフに話を聞くとそうではないとのこと。

 

 

パフォーマンスダンパーは振動を減少させることで、安定感を生み出す。普通のライダーであればその効果だけで十分満足できる。しかしスポーティなマシンで走ると、安定感が高まるのは高まるのだが、軽快感がスポイルされると感じる人もいるそうだ。そこで安定感を向上させつつも、軽快感を極力スポイルさせないことをねらってスチールボディではなく新たにアルミボディを開発したとのこと。見た目の質感は上がっているが、バランスを考慮しているため軽量化というレベルにはなっていないそう。

 

 

対応機種は2024年モデル以降のMT-09/SP/Y-AMTとXSR900 GPと、スポーティなモデルになる。8月23日に千葉県にある袖ヶ浦フォレストレースウェイで開催されたMT-09 Y-AMTの試乗会にて、アルミパフォーマンスダンパーを装着した車両と未装着の車両を比較試乗することができた。結果としては『装着車の方が安定感は高く、それでいて軽快にコーナーをクリアできた。サーキットでスポーツ走行を楽しむオーナーもその効果に満足できるだろう』とコメント。

 

 

なおステー類はアルミパフォーマンスダンパーに合わせて設計されているので、仮にスチールボディを組み合わせても同じ効果は得られないという。ちなみに2023年モデルまでのMT-09系に対応するスチールボディのパフォーマンスダンパーの価格は3万9,600円で、2024年モデル以降に対応するアルミボディのパフォーマンスダンパーの価格は4万9,500円になる。

 

 

CONTACT

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ワイズギア
電話
0120-819049
URL
https://www.ysgear.co.jp/

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