日本のバイクメーカーとして、バイクに一度でも興味を持った人なら知らない人はいないスズキの普通二輪免許で乗れるフルカウルモデルだ。カウルにおおわれながら、軽快感があるスタイルにまとめ上げられているのがこのジクサーSF250の外観の特徴といえる。細部に目を向けると、縦目2灯のLEDヘッドライトがスズキのスポーツモデルらしさを表し、左右に広がりキリッとした特徴的な表情がジクサーらしい個性となっている。また、ブロンズ塗装のエンジンカバーや、ホイールの細いスポークにほどこされた切削加工、加えて2色使いのリムデカールなどに、作り手のこだわりが感じられる。
エンジンはスズキならではの冷却方式“油冷”を採用する。簡単にいうと空冷と水冷のいいとこ取りのようなエンジンで、水冷ほど複雑ではないから重くはならず、空冷よりしっかりエンジンを冷却できるのだ。ちなみにジクサーに搭載している油冷エンジンは、高出力でありながら環境性能にすぐれたエンジンにするため、スズキが以前使っていた油冷エンジンとはまったく異なる新しい冷却方式が採用されている。
スタートボタンをエンジンが始動するまで押し続けるのではなく、ワンプッシュするだけですむスズキイージースタートシステムを装備していて、実際に素早くエンジンは目覚めてくれる。低回転域から十分なトルクがあって発進時にナーバスになることはなく、その後もスロットルを開けていけば、スムーズにエンジン回転数は上がり、それとともに速度もスムーズに上がっていく。その間、単気筒っぽい歯切れのある排気音と振動が、機械を操っているという気持ちを高ぶらせてくれる。
150kg強の250ccフルカウルとして軽めな車体は、実際に走っていても軽快感があって、さらにライダーの意思に沿った動きをしてくれるので、街中からワインディングまでさまざまなシーンでバイクを操る楽しさを満喫させてくれる。前傾になるもののきつく感じない乗車姿勢と相まって、走る場所を選ばないオールマイティなスポーツモデルといえるのだ。
最後に“ジクサー”というネーミングだが、由来はスズキのGSXというスポーツブランドにある。長い車名は、万国共通で短く略されるようで、GSXをアメリカのライダーたちは、“ジクサー”と略していて、それを逆にメーカーが車名にしたのだ。
SUZUKI GIXXER SF250
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