2014年4月10日に、新開発の並列3気筒 846ccエンジンを引っ提げて登場したMT-09。国内モデルでは唯一このモデルだけが採用していた3気筒エンジンに、188kg(ABSなし)という軽量な車体の組み合わせは大いに話題を呼び、そのスポーティな乗り味も高い評価を受ける。その結果として、2014年度の小型二輪(250cc~)の販売台数でNo.1を獲得(二輪車新聞調べ)。2位以下に1,000台以上の差をつける4,000台弱(ABSモデル含む推定台数)を販売した。 クロスプレーン・コンセプトに基づき開発された水冷4ストローク 並列3気筒 846ccエンジンは、ダウンドラフト吸気のフューエルインジェクションや、YCC-T(ヤマハ電子制御スロットル)、アルミ鍛造ピストン、不等長吸気ファンネルなどを採用することで、低中回転域での豊かなトルクと高回転域での伸びを追求。最高出力で81kW(110ps)/9,000rpm、最大トルクで88N・m(8.9kgf・m)/8,500rpmを発揮する。また、ハイパワーなエンジンの扱いやすさを高めるべく、3種類のモード(A・STD・B)からエンジンパワーを選択できるD-MODEも搭載している。
フレームには、新設計のアルミダイキャスト製ダイヤモンドタイプを採用。足まわりは、フロントフォークにインナーチューブ径Φ41mmの倒立フロントフォーク&ラジアルマウントの対向4ポットキャリパーを採用するなど、スポーティな仕上がりだ。 小型設計のクラッチや潤滑&冷却系のパイプレス設計などを採用したエンジンはもちろんのこと、フレーム、ホイール、新設計のハンドルスイッチなど、細部にわたり軽量化が徹底的に追求されており、846ccの3気筒エンジンとしては驚異的な188kg(ABS仕様は191kg)という車両重量を達成。また、スイングアームピボットをフレームの外側で締結したり、燃料タンクのニーグリップ部を大きく窪ませたりすることで、足つき性にも配慮されている。 新時代のMTシリーズのスタイリングを確立させたMT-09のエクステリアデザイン。車体前方にボリュームを持たせ、後方はシンプルなデザインとしたマスフォワードシルエットを取り入れることで、“塊(マス)”感が強調されている。ネイキッドとスーパーモタードのハイブリッドモデルのような新時代のデザインが特徴だ。異形ヘッドライトやエアインテークを兼ねたシュラウドは、MT-07やMT-25、MT-03といった他のMTシリーズにも受け継がれている。
COLOR VARIATION
2015年3月にはマットシルバーが登場
MT-09 ABSには2015年3月に新色となるマットシルバーが追加された。ツヤ消しシルバーの車体色をベースに、フロントフォークのアウターチューブとフロントフォークは、レースブルーを採用することでスポーティな印象に仕上がっている。シュラウド部に大きく09のロゴがあしらわれるのも特徴だ。 なお、同様のカラーリングは同時にMT-07 ABSにもラインナップされている。販売価格はスタンダードカラー(ABS仕様)と同じ89万9,640円だ。
欧州向けの2016年モデルではこんなカラーも
マットグレーの車体色に、蛍光イエローを組み合わせた大胆なカラーリングも欧州向け2016年モデルのMT-09ではラインナップ。同様のカラーリングは、MT-10・MT-07・MT-125にも採用されている。
足つき性はどうなの?
車体はかなりスリムなので、シート高は815mmながら足を真っ直ぐ下ろすことができるため、足つき性は良好だ。身長172cm・体重68kgのモデルならば、ご覧のとおり両足をベッタリと着けることができる。ABS付きで191kgという車両重量の軽さも相まって、排気量のわりに足つき&取りまわしはしやすい。
バリエーションモデル① SPORTS TRACKER
フロントカウル&サイド部にアルミ製のゼッケンプレートをあしらうとともに、アップタイプのサイレンサーを採用することで、スクランブラースタイルが与えらたMT-09 スポーツトラッカー。残念ながら、国内向けにはラインナップされておらず欧州向けのバリエーションモデルとなる。ツートーンのシート&ニーグリップ部のラバーなど、クラシカルな雰囲気がプラスされている。
バリエーションモデル② STREET RALLY
同じく国内向けにはラインナップされていないが、欧州ではMT-09ストリートラリーというバリエーションモデルも販売されている。ハンドガード一体型のフロントカウル、フロントフォークガードも兼ねているような形状のシュラウド、ゼッケンプレート風のサイドカバー、アクラポヴィッチ製のショートサイレンサーなどを装備し、モタードイメージに仕上げられている。ちなみに、ストリートラリーにまたがっているのはヴァレンティーノ・ロッシ選手で、PVにも出演しているのだ。
SPECIFICATIONS
車名(通称名) | MT-09/ABS | |
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型式 | EBL-RN34J | |
全長×全幅×全高 | 2,075×815×1,135(mm) | |
軸間距離 | 1,440mm | |
最低地上高 | 135mm | |
シート高 | 815mm | |
車両重量 | 188kg(ABS:191kg) | |
燃料消費率 | WMTCモード値 19.4km/ℓ | |
定地燃費値 27.3km/ℓ | ||
エンジン種類 | 水冷4ストロークDOHC 4バルブ 並列3気筒 | |
総排気量 | 846cm3 | |
内径×行程/圧縮比 | 78× 59(mm)/11.5 | |
最高出力 | 81kW(110ps)/9,000rpm | |
最大トルク | 88N・m(8.9kgf・m)/8,500rpm | |
使用燃料 | 無鉛プレミアムガソリン | |
燃料タンク容量 | 14ℓ | |
エンジンオイル容量 | 3.4ℓ | |
潤滑方式 | ウェットサンプ | |
燃料供給方式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | TCI(トランジスタ式) | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
トランスミッション形式 | 常時噛合式6段 | |
ギヤ・レシオ | 1速 | 2.666 |
2速 | 2.000 | |
3速 | 1.619 | |
4速 | 1.381 | |
5速 | 1.190 | |
6速 | 1.037 | |
一次減速比/二次減速比 | 1.680/2.812 | |
キャスター/トレール | 25°00’/103 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR17M/C(58W) |
後 | 180/55ZR17M/C(73W) | |
ブレーキ形式 | 前 | Φ298mmダブルディスク&ラジアルマウント対向4ポットキャリパー |
後 | シングルディスク&片押し1ピストンキャリパー | |
懸架方式 | 前 | インナーチューブ径Φ41mm 倒立フロントフォーク |
後 | スイングアーム,シングルショック | |
フレーム形式 | ダイヤモンド | |
乗車定員(人) | 2 | |
メーカー希望小売価格 | 84万9,960円(ABSは4万9,680円高) |
ヤマハ発動機お客さま相談室
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