EUヤマハより、MT-07ベースのスポーツツアラー・トレーサー700が発表された。国内ではおそらく、MT-07 トレーサーとして販売されるであろうトレーサー700。EU仕様のリリース情報から、その全貌に迫ってみたい。 MT-07と共通のプラットフォームを採用するトレーサー700は、軽快なハンドリングが特徴のMT-07をベースに、ロングツーリングでの快適性をプラスしたモデルだ。手動調整式のスクリーンや、MT-07よりも4ℓ増量した17ℓ容量のタンク、ハンドガードなどを標準装備することで、ツーリング性能の向上が図られている。 それらの装備の追加に伴い、車両重量はABS仕様で196kgと、MT-07比で14kg増加している。しかし、MT-09 トレーサーの車両重量が210kgであることを考えると、アドベンチャー系モデルとしてはかなり軽量に仕上げられていることがわかる。 新形状の一体型シートには大型のグラブバーが装着され、タンデム時の快適性に配慮がされている。シート高はMT-07比で30mmアップの835mmの設定だ。ホイールベースは1,400mmから1,450mmに延長されたうえで、前後サスペンションのセッティングも見直され、2名乗車+荷物を積載した状態での高速域でのクルージング性能に注力されている。そのほか、フロントインナーカウル右側には12V DCソケットを備え、ハンドルバーにはナビなどのマウントに役立ちそうなブレースも標準装備されている。 欧州では2016年の7月初めにも販売が開始されるとのこと。国内への導入を楽しみに待ちたい。
COLOR VARIATION
MT-07と見比べてみると
プラットフォームを共通とするMT-07と見比べてみると、大きく印象が変わっていることがわかる。フロントカウルの装着に伴い、フロントフェンダーやタンク、シュラウドのデザインもリニューアルしている。さらに、一体型のシートを新採用しているため、テールカウルやタンデムステップも新デザインに。
MT-09トレーサーと見比べてみると
今度は、MT-09ベースのスポーツツアラーとして、トレーサー700に先駆けて登場したMT-09 トレーサーと比較してみる。独特な形状の2眼式ヘッドライトから、兄弟車であることがハッキリと伝わってくる。その一方で、全体的にスリムかつコンパクトにまとめられたトレーサー700のデザインは、視覚的にもその軽量さがアピールされている。
SPECIFICATIONS
車名(通称名) | TRACER700 | |
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全長×全幅×全高 | 2,138×806×1,270(mm) | |
軸間距離 | 1,450mm | |
最低地上高 | 140mm | |
シート高 | 835mm | |
車両重量 | 196kg | |
エンジン種類 | 水冷4ストロークDOHC 4バルブ 並列2気筒 | |
総排気量 | 689cm3 | |
内径×行程/圧縮比 | 80×68.5(mm)/11.5 | |
最高出力 | 55kW(74.8ps)/9,000rpm | |
最大トルク | 68N・m(6.9kgf・m)/6,500rpm | |
使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン | |
燃料タンク容量 | 17ℓ | |
エンジンオイル容量 | 3ℓ | |
潤滑方式 | ウェットサンプ | |
燃料供給方式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | TCI(トランジスタ式) | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
トランスミッション形式 | 常時噛合式6段 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR17M/C(58W) |
後 | 180/55ZR17M/C(73W) | |
ブレーキ形式 | 前 | Φ282mmダブルディスク&対向4ポットキャリパー |
後 | Φ245mmシングルディスク&片押し1ピストンキャリパー | |
懸架方式 | 前 | インナーチューブ径Φ41mm 正立フロントフォーク |
後 | スイングアーム,シングルショック | |
フレーム形式 | ダイヤモンド | |
乗車定員(人) | 2 |
ヤマハ発動機お客さま相談室
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