2017年モデルでファイナルエディションが発表されていたドゥカティの1299パニガーレだけれど、なんと伝統のLツインエンジンから新型の1,103cc V4エンジンを搭載して新登場。
デスモセディチ・ストラダーレと名付けられた新型エンジンは、ドゥカティのMotoGPマシン・デスモセディチGPと同様の90°V型4気筒を採用。もちろん、エンジンの要となるボアサイズをGPマシンと同じφ81mmに設定するなど、寸法やジオメトリーにはじまり、新型エンジンにはGPマシンのエッセンスがふんだんに盛り込まれている。
さらに、逆回転クランクシャフトという同じくMotoGPマシン譲りのテクノロジーを採用。これは一般的な市販車のエンジンとは異なり、クランクシャフトとホイールの回転方向を逆向きにする手法のこと。
これによって、ホイールの回転により発生するジャイロ効果とクランクシャフトの回転により発生するジャイロ効果とが互いに打ち消し合うことで、コーナーの切り返しが軽くなりハンドリングが向上するのだという。
またそれだけにとどまらず、車体とは反対方向に働くクランクシャフトの慣性運動トルクは、加速時のウィリーや減速時のリヤリフトの軽減にも役立つとか。
もちろん、逆回転しているクランクシャフトをリヤタイヤの回転方向と合わせるためにはクランクシャフト・ギヤボックス・リヤホイールの3軸から、さらにもう一つ加えて4軸へと変更する必要がある。
そこで、ジャックシャフトと呼ばれるパーツを余計に組み込む必要があるものの、このパーツの存在を考慮してもL型2気筒1,285ccエンジンからの重量増は2.2kgに留められているというから驚きだ。
これらのGPマシン譲りのテクノロジーを注ぎ込んだエンジンは圧縮比を14に設定。最高出力は214 hp/13,000 rpm、最大トルクは12.6 kgf・m/10,000 rpmを発揮するという。
その一方で、排気量は1,103ccに設定することで低中回転域のトルクも確保し、ストリートでの扱いやすさにもキチンと配慮されている。
シャシーに関しても、エンジンをメインフレームの一部として使用する方式を採用。そこへ、フロントフレームやマグネシウム製のサブフレーム、アルミニウム製のシートフレーム、同じくアルミニウム製の片持ちスイングアームが組み合わせられる。
また、燃料タンクもアルミニウム製とすることで、軽量化が追求されている。
足まわりにはフロントフォークにショーワ製のインナーチューブ径φ43mm倒立BPFフォーク、リヤにザックスのフルアジャスタブルショック、ステアリングダンパーにもザックス製を採用。ホイールはアルミ鋳造だ。
シフトアップダウンに対応するオートシフターをはじめ、コーナリングABS、スライドコントロール、ウィリーコントロール、ローンチコントロール、エンジンブレーキコントロールなど、最新の電子制御システムもふんだんに採用されている。
今のところ、2017年11月9日から開催予定のEICMA2017に先駆けて発表されたのみで、国内販売に関するアナウンスなどはなされていない。その詳細を楽しみに待ちたい注目のモデルだ。
1299PANIGALEと見比べてみると