1992年11月に“PROJECT BIG-1”を開発コンセプトに登場したCB1000SF。そして、さらなる進化を遂げた次世代のBIG-1として1998年3月2日に登場したのが、初代CB1300SFだ。 ちなみに、プロジェクトBIG-1とはCB1000SF開発時に掲げられたプロジェクト名で、BIG-1という言葉は“迫力ナンバー1・存在感ナンバー1・ライダーにとってのナンバー1”といった意味を持つ。その基本コンセプトには“水冷4ストローク DOHC 並列4気筒エンジンを搭載していること”や“走る者の心を魅了する感動性能を有すること”、“ライダーのメンタリティを満足させる堂々とした存在感”などが挙げられていた。
CB1300SFに搭載される1,284ccの水冷4ストロークDOHC 4バルブ 並列4気筒エンジンは、X4に搭載されていたモノがベース。バルブタイミングの変更や吸排気系の見直しによって、低回転域でのトルクをあえて抑え、回転の上昇に伴うトルクの盛り上がりを強調しつつ、最高出力発生回転数をX4よりも1,000rpm高い7,500rpmに設定することで、直四エンジンらしい伸びのある加速感が演出されている。 シャシーに関しても、CBシリーズのフラッグシップとしてのこだわりが盛り込まれている。ダブルクレードルタイプのフレームは、基本的なディメンションはCB1000SFを踏襲しつつ、剛性バランスの見直しなどにより、重厚感あるハンドリングを追求。フロントフォークにはインナーチューブ径Φ45mmの正立フォークが、リヤにはホンダの市販二輪車では初となるダブルプロリンクタイプのツインショックが組み合わせられる。さらに、フロントブレーキキャリパーには同じくホンダの市販二輪車では初となる対向6ポットキャリパーがおごられている。 また、CB1000SFでは前後18インチホイールが採用されていたが、CB1300SFでは前後17インチへと変更。そのうえで、フロントに130/70・リヤに190/60サイズの太めのタイヤを採用している。
スタイリングは、CB1000SFの流れを汲みつつも力強さとシャープさを感じるデザインへと一新。丸目一灯のヘッドライトに、二連メーター、2本出しのサイレンサーなどを採用し、王道のネイキッドスタイルを受け継ぐ。そのうえで扱いやすさの向上にも注力されており、シート高は790mmに抑えられ、シート幅もCB1000SF比で約40mmスリムになり足つき性を向上。また、ハンドル位置をCB1000SF比で25mmアップすることで、よりアップライトで自由度の高いライディングポジションも実現している。 その後、1999年2月に前後サスペンション調整機構&センタースタンドの追加装備、2000年9月にVTR1000 SP-1用の異型4ポットフロントブレーキキャリパーの採用や各部パーツの見直しによる約5kgの軽量化などのマイナーチェンジを受け、2003年には初のフルモデルチェンジを敢行。2代目CB1300SFへと進化を遂げた。
COLOR VARIATION
1998年
1999年
2000年
2001年
SPECIFICATIONS
一次減速比/二次減速比1.652/2.277
車名(通称名) | CB1300SF(1998年) | |
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型式 | SC40 | |
全長×全幅×全高 | 2,200×780×1,165(mm) | |
軸間距離 | 1,545mm | |
最低地上高 | 130mm | |
シート高 | 790mm | |
車両重量 | 273kg | |
燃料消費率 | WMTCモード値 -km/ℓ | |
定地燃費値 21.6km/ℓ | ||
エンジン種類 | 水冷4ストロークDOHC 4バルブ 並列4気筒 | |
総排気量 | 1,284cm3 | |
内径×行程/圧縮比 | 78×67.2(mm)/9.6 | |
最高出力 | 74kW(100ps)/7,500rpm | |
最大トルク | 119N・m(12.2kgf・m)/5,000rpm | |
燃料タンク容量 | 21ℓ | |
潤滑方式 | 圧送飛沫併用式 | |
燃料供給方式 | キャブレター | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | フルトランジスタ式 | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
トランスミッション形式 | 常時噛合式5段変速 | |
ギヤ・レシオ | 1速 | 3.083 |
2速 | 2.062 | |
3速 | 1.545 | |
4速 | 1.272 | |
5速 | 1.130 | |
キャスター/トレール | 27°/113mm | |
タイヤサイズ | 前 | 130/70ZR17 (62W) |
後 | 190/60ZR17 (78W) | |
ブレーキ形式 | 前 | Φ310mmダブルディスク&ニッシン製対向6ポットキャリパー |
後 | Φ276mmシングルディスク&対向2ポットキャリパー | |
懸架方式 | 前 | インナーチューブ径Φ45mm 正立フロントフォーク |
後 | スイングアーム,ツインショック | |
フレーム形式 | ダブルクレードル | |
乗車定員(人) | 2 | |
メーカー希望小売価格 | 94万円 |
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