二輪デザイナーによるデザイナーの卵養成講座
学生31人、講師約50人。まさにマンツーマン
毎年1回、デザイナーを目指す学生を対象として、二輪デザイン公開講座が開催されている。その第6回目が実施された。参加資格はデザインを学んでいる大学1、2年生で、講師は国内4メーカーのデザイナーが担当する。大きな特徴は個別指導だ。参加者31名に対し、講師の数は48名。まさに付きっきりで、手とり足とりデザインに関して教えてくれるのだ。
期間は2日間で、受講料は無料、場所は長岡造形大学だ。取材前、参加者の多くは同大学の学生かと想像していたが、取材当日、参加者名簿を見て驚いた。同大学からの参加者は5名で、東北から九州までの15校から学生が集まっているのだ。参加者に聞けば、過去に参加した先輩や教授から勧められたり、学内のパンフレットなどを見たりして参加したとのこと。
気になるのは、参加者のうち何人が二輪免許を保有しているのかということ。その数は少なく3、4人。とはいえ参加者はみな、バイクから何かを得ようと夢中で、二輪デザイナーを目指す学生もいた。
そのためか、1日目はバイクの魅力を伝える講義からスタートした。この講義が1時間半ほど実施され、1日目の午後から2日目が終了するまですべて実技が組み込まれた。二輪デザイン講座の具体的な内容は、左ページや下の写真で紹介する。
講座終了後の参加者の言葉で多かったのが「講師のバイク愛がすごい」とか「二輪のデザインは難しいけど、頑張れば自分にもできそうだ」ということ。今回の講座で、バイクに少しでも魅力を感じ、このなかから、将来二輪デザインの道に進む学生が出てほしい。
クレイモデル
学生1人につき講師1人が付く、まさにマンツーマンの体制で実施された。講師はヤマハのデザイナーが担当。あらかじめ用意されたタンクをイメージしたクレイに、ニーグリップ部などの凹凸を付けるというもの。1日目は、道具の種類や使い方を学び、2日目に学生が実際に削っていた。
カラーリング
ストライプのデカールを貼る前のモデルが用意されており、学生がストライプのカラーリングを決めて、デカールを貼る。学生2人につき1人の講師が付く。講師はスズキのデザイナーが担当。カラーリングのコンセプトを決めることからスタート。
マーカースケッチ
初級と中級が設定されていて、初級はあらかじめ用意されたスケッチにマーカーで色を塗る作業。中級は下絵を参考にしつつ、バイクをスケッチする作業。学生3、4人に講師が1人付いた。ホンダのデザイナーが講師を担当。デザインスケッチの意味から解説していた。
デジタルスケッチ
フォトショップを使用して、航空機をスケッチする作業。現在、バイクのスケッチはデジタルスケッチが主流とのこと。講師を担当したのはカワサキのデザイナー。フォトショップの使い方を解説してからスタート。学生のなかにはデジタルスケッチ経験者もいた。
開催概要
- 開催日
- 2018年8月23日(木)・24日(金)
- 会場
- 新潟県・長岡造形大学
- 主催
- 公益社団法人 自動車技術会デザイン部門委員会
CONTACT
- 問い合わせ先
- 公益社団法人 自動車技術会 技術交流課
- 電話番号
- 03-3262-8235
- URL
- tech@jsae.or.jp