盛り上がるアドベンチャーツアラーブーム。ミシュランは2019年春から、アドベンチャーツアラー向け新型タイヤ・アナキーアドベンチャーの発売することを発表。栃木県のグルーピンググラウンドにてプレス向けの試乗会が開催。旧型タイヤとなるアナキー3との比較試乗レビューを中心にお届けしよう!
文:谷田貝洋暁/写真:武田大祐
MICHELIN ANAKEE ADVENTURE
フロント
- サイズ
- 90/90 -21
100/90 -19
110/80 R19
120/70 R19
リヤ
- サイズ
- 130/80 R17
140/80 R17
150/70 R17
170/60 R17
150/80 R18
キャラクターはオフを強化、オン/オフの設定比率は8:2!
ゴツい見た目に秘める、ロード性能と高い静粛性
今回、ミシュランから登場したのは、ホンダのCRF1000LアフリカツインやBMWのGSシリーズといったアドベンチャーツアラーモデルに対応する新型タイヤのアナキーアドベンチャー。
同社のアドベンチャーツアラー用タイヤは、これまでロードメインのアナキー3のほか、オフロードとオンロードの設定比率を5:5に設定したアナキーワイルドがラインナップ。この新作タイヤのアナキーアドベンチャーは、アナキー3の後継モデルに位置付けられており、オン/オフの設定比率も9:1から、10%ほどオフ率を高め8:2に改められた。おかげで外観のイメージもブロックパターンを全面に押し出したワイルドなものに仕上がっている。
不思議なもので、アドベンチャーツアラーに乗っていると、オフロードセクションにはほとんど入ることはなくても、ブロックタイヤを履きたくなるもの。アドベンチャーツアラーらしいタフなイメージを演出するにはブロックの高いタイヤに換えるのが手っ取り早いってワケだが、そうなると今度はタイヤのライフや、ロードセクションでの扱いにくさが気になってくる。このアナキーアドベンチャーは、そんなジレンマを解消してくれそうである。
今回の試乗会では、従来モデルのアナキー3と、アナキーワイルド、そして新作のアナキーアドベンチャーと3つのタイヤで、ロードセクション、ウェットセクション、ダートセクションを走行してみた。
ロードセクションで感じた、高い静粛性とコーナリング性能
ロードセクションでまず驚いたのはその静粛性だ。これだけブロックパターンタイヤのイメージを強めながらも、走ってみると、“グワワワワ…”というブロックパターン独特の走行音がない。それどころか同じ車両でアナキー3と比べてみると、フロントから伝わる振動は、若干このアナキーアドベンチャーの方が少なく感じたほど。このタイヤ、BMWの新型R1250GSにも純正採用されるとのことだが走って納得である。この静粛性の秘密は、ブロックパターンの形状にあるという。うまく振動が共振しないようなブロックデザインにすることで、ここまで静粛性が高められたというのだ。
またロードセクションでのコーナリング性能にも驚かされた。ブロックパターンがこれだけはっきりとしたタイヤなのに、コーナリングでしっかり寝かせても怖くない。ブロックの高いタイヤで、コーナリングすると、端のブロックの不安定感が気になって攻める気にならないものだが、このアナキーアドベンチャーならワインディングもしっかり楽しめるというワケだ。
ダートセクションでは必要十分なオフロード性能を発揮
一方、ダート路面での性能も必要にして十分という印象だ。さすがによりオフロード適性の高いアナキーワイルドと比べてしまうと路面の噛み具合に違いは出るが、それにしても十分な性能を持っている。実際、50度の急斜面も登り切ったし、ブレーキ時にも路面をよくつかむ。またコーナーでもフロントタイヤが路面をつかむ感じがあるので、安心してアクセルを開けて曲がっていけると感じた。
気になる耐久面でも、ブロックタイヤの弱点であるブロック角の偏磨耗を抑止する面取り形状を採用することで長いライフを追求しているという。
静かで長持ち、しかも、オフも走れてなおかつデザインはタフ。アドベンチャーツアラー乗りのかゆいところに手が届く商品が登場したのではないだろうか?
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