2019年3月22日より販売を開始したばかりの2019年モデルの新型CBR400Rに試乗してみたので、簡単なインプレッションをお送りするぞ。
今回は街中のみの試乗となったが、ワインディングも気軽に楽しめること間違いナシのフレンドリーなスポーツバイクへと進化を遂げていた。
よりスポーティなスタイリング&ライディングポジションに
まず注目したいのは前回のモデルチェンジから、さらにスポーティに生まれ変わったそのスタイリング。2019年モデルのCBR400Rではアッパーブラケット下にハンドルをマウントすることで、従来モデルよりも約8°前傾したよりスポーティなライディングポジションとしている。
実際にライディングポジションを取ってみると、高すぎず低すぎず、スポーティな雰囲気も演出されつつ、街中でも疲れにくい高さになっていることが分かる。
それに合わせてフロントカウルもより低い位置に設定することで、全体にスポーティな印象のスタイリングにまとめられている。また、新形状のサイドカウルにはMotoGPマシンのようなエアロフィンが付けられるなど、そのデザインはRシリーズらしいスポーティな仕上がりだ。
エンジン&足まわりも進化を遂げる
スタイリングの変更と同時に、エンジンや足まわりも改良を受けた新型CBR400R。スポーティなスタイリングに合わせて、いたずらにピークパワーを追求しているワケではなく、扱いやすい出力特性を重視しているのがポイントとなる。
具体的には、吸排気系の見直しやECUのセッティング変更などによって、低中回転域、主に3,000~7,000rpm辺りの常用域でのトルク感やエンジンの伸びが重視されていて、交差点やタイトなワインディングなど2速くらいで立ち上がるコーナーを気持ちよく走れるようにこだわって作り込まれているんだとか。それは街中でもしっかりと感じることができて、交差点の立ち上がりや、追い越し加速時にアクセルを開けるのが楽しくなる仕上がりだったぞ。
まさに、開発者の方が話していた“手の内にあって扱いきれる400cc”というワードがピッタリの、ビギナーからベテランまで誰もが不安を感じることなく、街中でも楽しめるエンジン特性だなぁと思った。
ちなみに、スペック上では400Xも同様の出力となっているけれど、フューエルインジェクションのセッティングを変更することで、高回転域での吹け上がり感が強調されているのもポイントだ。
さらに、足まわりは前後サスペンションの作動性を向上。減衰特性に優れるシングル加圧式のリヤショックを採用することにより、滑らかな動きのサスペンションを実現している。実際、街中でもその乗り味の進化を感じることができ、ギャップの通過時のショックの少なさや、コーナー進入時の安定感がUPしていた。
アシスト&スリッパークラッチも新採用!
今回の試乗で一番違いを感じたのは、2019年モデルから新採用されたアシスト&スリッパークラッチの存在。街中で交差点を曲がる際に3速から2速にシフトダウン、というようなシーンでも、何も気にせずシフトダウンしてもしっかりと余分なエンジンブレーキを抑制してくれるため、滑らかに走ることができて、なんだか自分がうまくなったような気分に…。
また、クラッチ操作自体もかなり軽くなっているので、長距離ツーリングや街中の渋滞時などでも、その恩恵を受けることができるだろうなと思った。
ビギナーにこそオススメしたいCBR400R
2019年3月末時点で普通二輪免許で乗れるCBRシリーズは、国内向けに2台ラインナップされている。一台はCBR250RRと、もう一台は今回紹介したCBR400Rだ。
販売価格はほぼ同等で79万円台。CBR250RRはABS装着モデルでは80万円を越すから、実際のトコロ、CBR400Rの方がリーズナブルな価格設定ということになる。CBR250RRはとても良いバイクだけれど、ライディングポジションやそのエンジン特性など、日常域での使いやすさを若干犠牲にしてでも、スポーツ性能を追求しているモデルだ。もちろん、それは魅力的なのだけれど、ビギナーにオススメしたいCBRは?と聞かれたら、僕はCBR400Rを選ぶだろう。
排気量の小さいCBR250RRよりも、排気量の大きいCBR400Rの方がビギナーにオススメというのも少しセオリーから外れた話になってしまうけれど、街中からワインディングまでといった総合的な扱いやすさを考えるとCBR400Rを選んだ方が楽しいバイクライフを過ごせるハズ!
LEDの灯火器類や、ギヤポジションインジケーター、急ブレーキ時にハザードが点滅するエマージェンシーストップシグナルなども標準装備されているから、CBR250RRに見劣りするなんてこともなく、普通二輪免許で乗れるCBRシリーズで迷ったら400Rを選ぶのが個人的にはオススメだ。
タンデムライディングも快適にこなす
今回は撮影のためにタンデムで移動したのだけれど、低中回転域でのトルク感を重視したエンジンはタンデム走行時にも扱いやすさを発揮してくれた。
また、アシスト&スリッパークラッチもシフトショックを大きく軽減してくれるので、シフトダウン時にタンデマーに伝わる振動が少なくなっているのもポイントだ。グラブバーはカウルデザインに溶け込むような形状ながら掴みにくいということもないので、タンデム走行も快適にこなしてくれるオールラウンドなスポーツバイクだなぁと感じたぞ。
足つきチェック
シート高は785mm。平均的な体格の成人男性であれば、足つき性に不安を感じることはないだろう。コブシ一個分ほどタンクから隙間を空けて座っているため、両足ではカカトが少し浮いたが、車体も軽量なため不安感はナシ。片足ならば、ほとんどオシリをズラさずとも余裕を持って足をつくことができた。
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部分カット 写真・吉田 朋