総走行距離7,000㎞のほぼ砂漠地帯を走るダカールラリーはホンダが制覇!
ダカールラリー2020で、CRF450ラリーに乗るモンスター・エナジー・ホンダ・チームのリッキー・ブラベック(Ricky Brabec)が、二輪車部門の総合優勝を獲得。ホンダにとっても1989年以来、実に31年ぶりのダカールラリーでの総合優勝となった。
ブラベック選手は2016年からダカールラリーに参戦し、今回が5回目の挑戦となった。第3ステージで優勝して総合首位に立つと、以後は堅実な走りを見せて総合首位を堅持。自身初となる総合優勝を飾ったのだ。これはアメリカ人ライダーとしても初の総合優勝となる。
ブラベック選手の談話は以下のとおりだ。
「とうとうやりました。ホンダにとっても、チームにとってもこれ以上嬉しい勝利はないと思います。非常にタフで、距離も長いレースでしたが、チームは一体となり、ライダー、そしてメカニックも最高の仕事ができました」
「今日(編集部注:1月17日)の最終ステージでは、マシンも非常に調子よく、みんな無事にここまで来ることが第一の目的でした。ホンダチームそして我々をサポートしてくれたスポンサーの皆さまにこの上なく感謝しています。そして去年までチームメイトだったパウロ・ゴンサルヴェス選手にも、心から感謝しています。サウジアラビアで初めて開催されたダカールラリーですが、とにかく景色が素晴らしい。来年もまた参戦します」
以下は二輪部門の総合順位となる(※日本時間1月18日時点での公開分)。
順位 | 選手 | チーム |
---|---|---|
1位 | RICKY BRABEC | MONSTER ENERGY HONDA TEAM 2020 |
2位 | PABLO QUINTANILLA | ROCKSTAR ENERGY HUSQVARNA FACTORY RACING |
3位 | TOBY PRICE | RED BULL KTM FACTORY TEAM |
4位 | JOSE IGNACIO CORNEJO FLORIMO | MONSTER ENERGY HONDA TEAM 2020 |
5位 | MATTHIAS WALKNER | RED BULL KTM FACTORY TEAM |
6位 | LUCIANO BENAVIDES | RED BULL KTM FACTORY TEAM |
7位 | JOAN BARREDA BORT | MONSTER ENERGY HONDA TEAM 2020 |
8位 | FRANCO CAIMI | MONSTER ENERGY YAMAHA RALLY TEAM |
9位 | SKYLER HOWES | KLYMCIW RACING |
10位 | ANDREW SHORT | ROCKSTAR ENERGY HUSQVARNA FACTORY RACING |
1979年に初開催され、パリをスタートしてアフリカ大陸最西端のセネガル・ダカールをゴールとするラリーレースとしてスタートした現ダカールラリー。もともとインフラがほとんど存在しない砂漠地帯を走破するレースとしてスタートしたことからコースも非常に過酷なルートが設定されており、それゆえにレース中の死亡事故も少なくない。現に2020年も、ブラベック選手がコメントに挙げたパウロ・ゴンサルヴェス選手が転倒事故により死亡しており、世界でもっとも過酷なスポーツレースとも呼ばれている。政情不安などによりバリ~ダカール間の走行から南米に舞台を移し、さらに2020年はサウジアラビア内を走破するレースへと変貌しているが、ラリースポーツを代表する一大イベントであることに変わりはない。そんな過酷なレースで戦い抜いたすべての関係者に賛辞を贈りたい。