疲れずに走り続けられるタイヤ“DUNLOP SPORTMAX ROADSMART Ⅳ”インプレッション

ツーリングタイヤの新たな指標を目指す

市販されているタイヤにはそれぞれコンセプトがある。今回、ダンロップが新たに発売するスポーツマックス　ロードスマートⅣは“新しいツーリングタイヤのスタンダードを創る”というもの。一見単純そうだが、じつはツーリングタイヤに要求される項目は多岐に渡る。季節や天候を問わず走るため、さまざまな路面状況でのグリップ力やロングライフといった要素に加え、ツーリングを楽しいものにするハンドリング特性や疲れにくさなど。それらのバランスが重要になってくるのだ。

車重を感じさせない軽快な乗り味を追求

具体的には、前後タイヤのプロファイルを最適化してハンドリング特性を向上。市街地からワインディングまで車重を感じさせない軽快な乗り味を追求。これは試乗車に乗ってすぐに体感できた。軽快といってもスポーツタイヤのように敏感な反応をするわけではない。ライダーが“行きたい”と思うときにタイムラグなくスッと向かっていく印象。過敏すぎると長時間のライディングでは疲れにつながるので、絶妙なセッティングだと感じた。

 

ダンロップはすでに評価が高かった先代のロードスマートⅢをベースに、それらの特性やバランスをさらに追求。“新たな価値を持つツーリングタイヤ”に昇華させることに成功した。

 

 

またロードスマートⅣでは路面の凹凸からの衝撃を吸収する性能を高めているのもポイント。細かいギャップからの連続振動や路面の継ぎめなどによる大きな衝撃まで、材質の変更（フロント）と新プロファイルの採用（リヤ）などによって吸収性を高めているのだ。実際にコーナーのゼブラゾーンや荒れた部分などでペースを上げて走ってみたが、ロードスマートⅢよりも伝わってくる衝撃が確実に減少していることが体感できた。

 

疲労軽減効果を科学的に検証

興味深いのは本当にそれが疲労やストレスの軽減につながっているのかを第三者機関に依頼し、科学的に検証していること。ライダーに心拍計をつけテストコースや一般道を走りデータを収集。そこからも疲労軽減効果が確認できたという。感覚だけに頼らないところからも、このタイヤの開発に対するダンロップの情熱が感じられる。

 

 

説明会ではパターンを見直して偏摩耗性を高めていることや、内部構造を変更してウェットグリップとロングライフを両立されていることなどが発表された。そればかりは試乗ではわからなかったが、雨天でも不安なく走れ、グリップ性能が長持ちするというのは季節を問わず距離を走りたいツーリングライダーにとって重要な選択ポイントだ。

 

試乗では多くの点で先代よりも進化していることが実感できた。ロードスマートⅣは、ツーリングタイヤの新たなマイルストーンになるだろう。

文：横田和彦