ツインリンクもてぎのビッグフラッグパフォーマンスの感動は忘れない
大治郎シートは、2003年4月にレース中の事故で亡くなったMotoGPライダー加藤大治郎選手の父でデルタ代表の加藤 隆さんが、2003年の5月にイタリアのムジェロサーキットを訪れた際、ファンがビッグフラッグパフォーマンスで応援する姿を見て“日本でも、あんなパフォーマンスができないか”という考えに、当時、加藤選手の所属していたチーム監督のファウスト・グレシーニさん(以下:グレシーニ)や同行したHonda関係者が賛同し、加藤さんとグレシーニさんが共同発起人となって企画をスタートさせた。モビリティランドの協力を得ながら、子ども用チケットや大治郎Tシャツの無償配布に加え、日本グランプリでは初となるビッグフラッグパフォーマンス(第1回はパネルパフォーマンス)を実施。観客席に元グランプリライダーをゲストに招くなど、子どもたちにレースの魅力を幅広く伝えてきた。
2008年からは、加藤大治郎選手の幼馴染で2007年に不慮の事故で亡くなったMotoGPライダー阿部典史選手の愛称を名称に加えて“ノリック・大治郎シート”として、これまでに16回が開催された。
終了となったのは、今年の2月23日にグレシーニさんが亡くなったことで、主催者がグレシーニのいないノリック・大治郎シート開催を想像できなかったのと、各メーカーによるビッグフラッグパフォーマンスや現役ライダーの応援席など、日本グランプリにおける環境も大きく進化し、大治郎シートが掲げた当初の目的も達成したと考えたためだ。
デルタ・エンタープライズ代表・加藤 隆さんのコメント
「多くの方々に参加や協力をいただいて実施してきた大治郎シートですが、2月のファウストの訃報が届いて、今回の決断に至りました。私自身、グレシーニのいない大治郎シートを想像することができませんでした。グレシーニは毎年、決勝レースの合間という非常に忙しいタイミングにも関わらず、私との約束を守って必ず大治郎シートに駆けつけてくれ、16年間も続けることができました。その間に、日本グランプリも様々な進化を遂げたと思います。今年の開催を楽しみにしていただいていた方々には大変申し訳ありませんが、ご理解をいただければ幸いです。最後に、カルロ・メルディーニ氏(チーム・グレシーニ)をはじめとした大治郎シートをサポートいただいた多くの方々に感謝を申し上げるとともに、参加いただいた多くの方々にお礼を申し上げます。16年間、本当にありがとうございました。」
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