待望のドラッグスターシリーズがついに日本上陸!
イタルジェットの“ドラッグスター 125/200”の初回生産分、世界499台限定のファーストリミテッドエディションがついに日本上陸した。エリア販売代理店である「ベア世田谷」にていち早く実車を見る機会を得られたので、早速紹介していこう。
まずイタルジェットとは1959年にイタリアで誕生したスクーターやオフロードバイクなど小排気量モデルを中心に生産してきたブランド。とくにドラッグスターをはじめとする個性的なスクーターを世に送り出してきた。しかし2003年に一度姿を消し2005年に再建。その後も紆余曲折を経て、2018年に開催されたEICMAにて新ドラッグスターのコンセプトモデルを発表した。
日本ではMVアグスタジャパンが正規代理店として名乗りを上げ、受注をスタート。当初の予定では2020年末にデリバリーが開始される予定だったが、コロナ禍により生産に遅れが生じ、ようやく日本に上陸をはたしたのである。なお今回届いたファーストリミテッドエディションは世界499台限定で、マットブラック/ブロンズの特別なカラーリングとシリアルナンバープレート付きの超レアモデルだ。
今回撮影した車両は水冷4ストロークDOHC4バルブ・180㏄エンジンを搭載するドラッグスター200だが、車体構成を同じとするドラッグスター125も存在する。日本で販売されているスクーターではまず見ないデザインの他にも、注目すべき点は多数ある。
まずイタルジェットが開発したインディペンデント・ステアリング・システム、通称『I.S.S』だ。これはステアリングアクションとサスペンションアクションを分離させることで、荒い路面などから受ける不快な振動などをハンドルバーに伝えることなく快適な走行を追求したから。フロントフォークがなく、その見た目も独特だ。
また日本市場では13~14インチのタイヤが主流だが、ドラッグスターにはフロント12インチ・リヤ13インチとやや小径のタイヤが装備されている。加えてハンドル切れ角は26.5度とオンロードスポーツなみ。それでいながらスクーターとしてはロングホイールベースとしている。これらはスポーツ性を意識しつつ、直進安定性も意識していることがうかがえる。これらが高回転型のDOHC4バルブエンジンと組み合わされると、どんな走りを楽しませてくれるのかが楽しみなところだ。後日試乗する機会を得たら、詳細なインプレッションをお伝えしたい。
◇ 足つきチェック(身長155㎝)
シート高は770㎜で両足の母指球までつくので、安心して車体を支えられる。一般的なスクーターではシート下のラゲッジスペースなどが充実している反面、足が外側に開いてしまうため、シート高は数値的に低くとも足つきがやや悪くなる傾向にある。しかしドラッグスターはラゲッジスペースの収納力は書類を入られるほどのスペースしかなく、シートの最前部がスクーターとは思えないほど細く絞られているので足を真下におろすことが可能となっている。だからスクーターとしては足つき性は良好なのだ。
ステップボードはやや高めに設定され、足の置くスペースもコンパクト。しかし窮屈といった印象はない。荷物などを置くことは厳しいが、スポーティな走りを楽しむのにはうってつけなのではないだろうか。
また取りまわしに関してだが、車体自体は非常に軽量で、センタースタンドをかけるのも難なくこなすことができる。ただし先述したとおり、ハンドルの切れ角が小さいため取りまわしの際に狭い場所では多少切り返しが必要となる。
ドラッグスター125/200のスペック
モデル | ドラッグスター125 | ドラッグスター200 |
---|---|---|
全長×全幅×全高 | 1,890×750×1,075(㎜) | |
ホイールベース | 1,350㎜ | |
シート高 | 770㎜ | |
エンジン型式 | 水冷4ストロークDOHC 4バルブ 単気筒 | |
総排気量 | 125㏄ | 200㏄ |
ボア×ストローク | 58×47㎜ | 63×58㎜ |
最高出力 | 9.2kW(12.5ps)/9,500rpm | 12.9kW(17.5ps)/8,000rpm |
最大トルク | 10.5N・m(1.07kgf・m)/7,750rpm | (7,750rpm/15.5 N・m(1.58kgf・m)/6,250rpm |
車両重量(乾燥重量) | 124㎏ | |
燃料タンク容量 | 9ℓ | |
タイヤサイズ | F=120/70-12・R=140/60-13 | F=120/70-12・R=140/60-13 |
カラーリング | アンスラサイト/ホワイト/レッド、アンスラサイト/イエロー、ブラック/レッド、ブラック/マグネシウム(FIRST LIMITED EDITION限定カラー) | |
価格 | 71万5,000円(税込) | 75万9,000円(税込) |
撮影協力
- ベア世田谷
- https://bear-s.com/